今年7月末までに県内で運転免許を自主返納した75歳以上の高齢者は、昨年同時期を1253人上回る3076人と大幅に増加したことが、県警のまとめで分かった。

 高齢者の交通事故は社会問題化しており、運転に不安がある人の返納を促すため、独自制度をスタートさせる自治体も出ている。

 返納者数は全体で4123人。このうち、65歳以上は96・7%に当たる3988人を占める。75歳以上は全体の74・6%で、平成12年以降、増加傾向にあり、過去3年ほどは特に顕著だという。

 3月に施行された改正道交法では、75歳以上の高齢者には3年ごとの免許更新時と、特定の交通違反(一時不停止や信号無視など)で摘発された場合、認知機能検査が義務づけられた。

 県警によると、施行後に県内で認知機能検査を受けた人は7月末現在で、2万5091人。774人が認知症の恐れがあると判定され、22人は医師から認知症との診断を受け、その後、免許取り消し処分を受けた。

 高齢者の事故を防止するため、運転免許を返納しても移動に支障が生じないよう、施策を講じる自治体もある。県くらし安全・消費生活課によると、県内では33市町村と3団体が運転免許を自主返納した人を対象に、交通機関の利用料割引などの支援事業を推進しているという。

 坂城町は今月1日から、自主返納した町民が町内を循環するバスを無料・無期限で利用できるようにした。県タクシー協会もすでに、運転免許の返納を証明する「運転経歴証明書」を提示すれば、タクシー料金を1割引するサービスを行っている。利用回数に制限はなく、県内約9割のタクシー会社が扱っているという。

 県警の担当者は「少しでも運転に不安を感じたら、家族や近くの警察署に相談してほしい」と呼びかけている。