「仕事はつらいもの」と決めつけていませんか?(写真はイメージ)


「仕事はつらいもの、厳しいもの」

「お金を稼ぐために自分の時間を切り売りするんだから、仕事が辛かったり理不尽さに耐えるのは当たり前」

 世の中には、年配の方から若い方まで年齢を問わず、こういうことを言う人が少なくありません。「仕事を楽しむなんて考えたこともない」と言う人に会ったこともあります。

 確かに仕事にはトラブルや失敗がつきものです。煩わしい人間関係もあるし、責任も伴うし、できればやりたくないことも多かったりします。「自分の時間を売って会社で働いている」という側面もあるとは思います。

 でも、仕事を楽しんではいけないのでしょうか? 笑って仕事をしてはいけないのでしょうか?

 決してそんなことはないと思います。

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「当たり前のやり方」を疑ってみる

 私はかなりムラッ気があり、「やりたい」「楽しい」「貢献できてる」という実感が得られないと、仕事の質も量もぐっと低下してしまいます(主観ですが4割位に落ちてしまう気がします)。

 そこまで落ちると「自分はダメだなあ」と自己嫌悪に陥り、「もっとがんばらなきゃ」と自分にムチを入れることになります。ただ、気持ちが乗ってないので、あまり「がんばる」ことはできず、また自己嫌悪に陥るという悪循環に陥ってしまいます。

 そこで、私が会社勤めをしている時に行ったのは、「青い鳥」を探して転職を繰り返すことでした。

 独立してからは「転職」という方法が使えないので、新たな方法を生み出さなくてはなりません。そこで生み出したのが、経費入力や資料作成など気が進まない面倒なことをやらなければならない時に、「どうやったら楽しくできるだろう?」「どうやったら少しでも楽にできるだろう?」と考えることでした。

 それまで当たり前だったやり方以外に「もっと楽しく、楽にできる方法がないだろうか?」と工夫してみるようにしたのです。

 例えば経費入力に関しては、(あまり画期的でもないですが)1カ月ごとにまとめてするのではなく、毎日、移動時間を使って入力してしまうことにしました。

 主催しているコーチング塾の資料も作り方を変えてみました。完全な資料を作るのではなく、アジェンダだけ記入した資料を受講者に配布して、受講内容をメモした自分だけのオリジナルノートを作ってもらうようにしたのです。

 私自身が資料作りがあまり好きではないことに加えて、当日、その場の流れで話の内容が変わってしまうことがよくあるという理由もありました。

 そういったちょっとした取り組みを積み重ねていくうちに、仕事を「より楽しく、より楽に」と工夫すること自体が楽しくなっていきました。

挫折を乗り越えた「考え方の転換」

 以上の私の取り組みは「会社勤めじゃないからできるんだろう?」と思われるかもしれません。そんなことはありません。会社勤めの方でも楽しんで仕事をすることは、もちろん可能です。

 以下は最近、Aさんというあるクライアントの方から聞いたお話です。その話を聞いて、私はとても嬉しくなりました。Aさんはこう言っていました。

「若い頃、自分は仕事ができる人間だと思ってきました。実際、誰よりもできていたと思います。口には出しませんが、質も量も『どんなもんだ!』と周りを圧倒して達成感を覚えていました。

 けれど、ポジションが上がって、周りの期待値が高まっていくと、だんだんそれに応えられなくなっていきました。そんな自分に愕然とし、苦しい時期が続きました。

 それが最近は、『できない』自分を受け入れたうえで『仕事を楽しもう』と思えるようになったんです。昔は『達成する』ことだけにやりがいを感じていたのですが、今は、仕事を楽しむ視点を持てるようになりました。そのおかげで充実感を覚えています」

 Aさんは、かつては自分だけですべてをこなそうとしていましたが、今は周りを巻き込んで、助けてもらいながら仕事をしているようです。まさに「楽しむ」という視点を入れたら変化が起きた例です。

 本当につらくて逃げ出したいような職場ならば無理に楽しむ必要はないと思いますが、「なんとなくやりがいを感じない」「お金のためだけに働いている」ような場合には、「どうしたら楽しく仕事ができるだろう?」と、ぜひ自分に問いかけてみてください。日々の働き方、充実感が大きく違ってくるはずです。

筆者:和気 香子