照ノ富士(左)を破り4連勝の阿武咲 (切り込み写真)照ノ富士(右)を引き落とす=撮影・中田匡峻

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 「大相撲秋場所・4日目」(13日、両国国技館)

 初日から三役を破り続けている幕内阿武咲が、大関初挑戦で、かど番の照ノ富士を引き落として4連勝とした。3横綱、1大関不在の場所で勢いに乗る21歳は、5日目に初の横綱戦で日馬富士に挑む。1人横綱の日馬富士は平幕の北勝富士に寄り切られ、2連敗で連日の金星配給。北勝富士は2場所連続2個目の金星獲得となった。全勝は阿武咲のほか、琴奨菊、千代大龍、貴ノ岩、大栄翔の平幕5人となった。

 乗り乗りの阿武咲が、悩めるかど番大関を完全にのんだ。立ち合いを嫌った照ノ富士が一度待ったをかけた。21歳は「何を考えているのか、嫌なのか」と、相手の迷いを感じ取った。

 怖さもなく冷静だった。集中を高め、鋭い踏み込みからもろ手で突いた。下から押し上げて187キロの巨漢を起こすと瞬時に体が反応。右に開いて引くと、相手は崩れ落ちた。

 「何でもやったろうと思い切っていった。左(腕)がしっかり伸びた。崩してそれがはまった。素直にうれしい」と、初の大関戦での勝利をかみしめた。

 今場所は初の上位総当たり戦で、初日から御嶽海、嘉風、玉鷲と三役を倒し、これで格上を4連続撃破。「押す力もついているから距離もできて動ける」と成長を実感した。

 15年初場所、18歳で新十両とスピード出世したホープ。しかし、昨年夏場所に幕下に陥落するなど足踏みした。「悔しかった思いがあるから今がある。しっかりと相撲と向き合う時間だった」と、挫折が強くした。

 「当たって相手を起こす相撲を」と師匠の阿武松親方(元関脇益荒雄)。目先の勝利にこだわらず、突き、押しと基本を徹底させたのが今につながる。

 新入幕から連続2桁勝利中。1場所15日制が定着した49年夏場所以降、7人目のことで過去には初代若乃花や白鵬がいる。3場所連続2桁勝利となれば、その偉大な横綱らすらなし得ていない快挙となる。

 横綱稀勢の里、大関高安もかわいがり、稽古相手に指名する次代のスター候補。5日目、日馬富士から初金星なら、優勝も視界に入ってくる。