草間彌生、小澤征爾なども受賞 世界の優れた芸術家5名を発表

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世界の優れた芸術家に送られる高松宮殿下記念世界文化賞(公益財団法人 日本美術協会主催)の第29回受賞者が発表されました。

発表する中曽根康弘国際顧問

高松宮殿下記念世界文化賞は、国際理解を深める文化芸術に貢献した芸術家に、感謝と敬意を捧げ、その業績をたたえる賞です。

世界の芸術家を対象に毎年、『絵画、彫刻、建築、音楽、演劇・映像』の5部門から選出され、草間彌生さん、小澤征爾さん、三宅一生さんなど、多くの日本人芸術家も受賞しています。

2017年受賞者

中曽根康弘国際顧問から、発表された2017年の受賞者は、いずれも各分野で活躍している5名です。

絵画部門 シリン・ネシャット

シリン・ネシャットShirin Neshat

シリン・ネシャットさんは、ニューヨークを活動拠点とする、イラン人女性映像作家です。

写真や映画などさまざまな表現手段を駆使して、現代イスラム社会を生きる女性たちの政治的、社会的、心理的に抑圧された状況を描写してきました。

『ロジャ・シリーズ/アンタイトルド』(2016) の画面写真を背に  グラッドストーン・ギャラリー 2017年 ニューヨーク
With her back against the video still of Untitled, from Roja series (2016), Gladstone Gallery, New York, 2017

2009年には、ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞を受賞しています。

彫刻部門 エル・アナツイ

エル・アナツイ El Anatsui

アフリカの伝統的イメージを、大胆な手法で発信する彫刻家、エル・アナツイさん。「アートとは環境から生まれるもので、誰かが『新しく作る』ものではない」が彼の持論です。

金属のボトルキャップを銅線で編み上げたメタル・ワークで、消費文化が生む余剰廃棄物の再生利用も探求しています。

≪アディンクラ・ササ≫(文様付きササ)2003年 織物、アルミニウム、銅線  487 x 548 cm ジャック・シャインマン・ギャラリーにて
Adinkra Sasa, 2003 Courtesy of the artist and Jack Shainman Gallery, New York

2015年に、ヴェネツィア・ビエンナーレで栄誉金獅子賞を受賞。

建築部門 ラファエル・モネオ

マドリードの事務所にて 2017年
At his studio in Madrid, 2017

スペインを代表する建築家のラファエル・モネオさん。

その土地の歴史的背景を重視しながら、環境と調和させて都市空間に溶け込む建築物をデザインしてきました。

『アトーチャ駅・新駅舎』1992年 マドリード
Madrid Atocha railway station, 1992, Madrid

スペイン・メリダの『国立古代ローマ博物館』やマドリードの『アトーチャ駅・新駅舎』など、国内外で多数のプロジェクトを成功させています。

音楽部門 ユッスー・ンドゥール

セネガル・ダカールのスタジオにて 2017年
At his studio in Dakar, Senegal, 2017

ユッスー・ンドゥールさんは、ダカール出身の作詞・作曲家でもある歌手。

グリオと呼ばれる、語り部の家系に生まれた彼は、12歳から音楽活動を始めます。伝統音楽に民族音楽や欧米ポップ・ミュージックを取り入れるなど、『ワールド・ミュージック』ブームをけん引した1人です。

オーナーのテレビ局で 2017年 セネガル・ダカール
At his own television station TFM (Télé Futurs Médias) in Dakar, Senegal, 2017

日本では、ホンダ・ステップワゴンのCMソングが有名です。

演劇・映像部門 ミハイル・バリシニコフ

ミハイル・バリシニコフ Mikhail Baryshnikov

抜群のリズム感とテクニックで高い評価を得た、ミハイル・バリシニコフさん。クラシック・バレエと現代バレエに加え、演劇、映画などでも、多くの人を魅了してきました。

『愛と喝采の日々』で映画俳優にも挑戦し、アカデミー助演男優賞にノミネートされました。

バリシニコフ・アーツ・センターの劇場にて 2017年 ニューヨーク
At Baryshnikov Arts Center’s Jerome Robbins Theater, New York, 2017

また、1998年には『ミハイル・バリシニコフ&坂東玉三郎〜世紀のコラボレーション〜』の舞台で、坂東玉三郎さんと共演しています。

10月には授賞式典も

高松宮殿下記念世界文化賞の授賞式典は、日本美術協会総裁の常陸宮殿下、同妃殿下のご臨席のもと、10月18日に東京・元赤坂の明治記念館で開催。

今回発表された受賞者5名には、感謝状、メダル、賞金1500万円が授与されます。

国を越えて多くの人の心を打つ芸術。多様性が認められる現代で、これから先一体どんな芸術が生まれ、発展していくのか、期待が高まります。

[文・構成/grape編集部]