延辺大国際政治研究所の金強一所長

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 北朝鮮が行った6回目の核実験は、中朝国境に近い中国東北部の安全に極めて重大な影響を与えた。

 こうしたときに、中国が消極的な対応をとることは許されない。誤った行為であると北朝鮮に思い知らせる必要がある。国連安保理の新たな制裁決議に、中国が反対しなかったのは当然だ。

 もっとも制裁内容を見ると、原油の全面禁輸など米国が目標にしていたものとは隔たりがある。朝鮮半島の危機を何とかコントロールしようという中国など周辺国家の意思が反映された結果だといえる。

 中国が考慮しているのは、半島の危機の高まりをいかに抑えるか−である。原油の全面禁輸は、北朝鮮を完全に封鎖することと同じだ。危機をコントロールできなくなる恐れがあり、中国には応じられない。

 今回の制裁が北朝鮮経済に大きな影響を及ぼすのは間違いない。だが、国際社会の圧力に屈しないという北朝鮮の決意も非常に大きなものだ。たとえ原油を禁輸されても屈服しないだろう。引き続き、弾道ミサイル発射や核実験を強行する可能性がある。

 中国にとって北朝鮮問題で懸念しなければならない点は以下の2つだ。

 まず、核実験が環境汚染を引き起こしかねないということ。中国の環境保護省は先日、今回の核実験による汚染はないと発表した。だが、長期的な観測が必要である。北朝鮮が実験を繰り返したら、環境汚染の可能性は高まるだろう。

 2つ目は経済問題だ。中国東北部の景気はもともと良くない。北朝鮮に近い地域では、対北制裁ですでに損失を被っている中国企業が多い。今回、北朝鮮の繊維製品の輸入や、出稼ぎ労働者の新たな就労が禁止された。地域経済へのさらなる影響が懸念される。(聞き手 藤本欣也)