【CLグループG展望】昨季4強モナコが本命も全チームに突破の可能性

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▽圧倒的に力が劣るチームは1つもなく、ある意味最も実力拮抗のグループといえる。ただ、昨季ベスト4のモナコが本命であることは疑いなく、安定感のベシクタシュ、爆発力のRBライプツィヒ、経験値のポルトとそれぞれ強みを持った3チームが白熱の争いを見せてくれるはずだ。

◆編集部予想
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◎本命:モナコ

○対抗:ベシクタシュ

○対抗:RBライプツィヒ

△連下:ポルト◆主力流出も完成度で勝る〜モナコ〜
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▽グループGの本命は昨季ベスト4のモナコだ。智将ジャルディム監督の下、攻守に完成度の高いアタッキングフットボールで17年ぶりのリーグ制覇、CLベスト4進出を果たしたモナコは、今夏の移籍市場で神童ムバッペ、MFベルナルド・シウバ、DFメンディ、MFバカヨコら若き主力が揃ってメガクラブの引き抜きに遭い、再び仕切り直しのシーズンを戦うことになった。

▽それでも、元々育成路線を掲げるチームは、その抜かれた主力の後釜にMFティーレマンス、DFコンゴロ、FWケイタ、FWヨベティッチと若くて経験もある実力者を獲得。さらに、第二のムバッペ予備軍のFWディアカビ、FWエムボウラという10代の逸材を獲得しており、昨季同様の期待感に満ち溢れている。加えて、エースFWファルカオやMFレマル、DFファビーニョら昨季の主力の経験が混戦のグループを制す原動力となるはずだ。

◆選手層&采配力で首位通過も〜ベシクタシュ〜
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▽ナポリやベンフィカと同居した昨季に続き実力拮抗のグループに入ったベシクタシュだが、智将ギュネシュ監督の下で国内リーグ2連覇中のチームにかかる期待は大きい。今季のヨーロッパの戦いではフェネルバフチェ、ガラタサライの2強が予備予選プレーオフで敗退を強いられ、イスタンブール・バシャクシェヒルもCLプレーオフで敗れ、EL本大会に回ることになった。そのため、ベシクタシュとしてはトルコ王者として下手な戦いは見せられない。

▽今夏の移籍市場ではDFペペ、MFメデルと経験豊富な守備的タレントをチームに加え、前線にもFWネグレドやFWレンスと好タレントを獲得し、FWクアレスマやMFタリスカ、DFアドリアーノという既存の戦力と共に質の高いスカッドを構築できた。グループステージ突破に向けては対戦相手に完全アウェイの雰囲気を作り出すホームの後押しを生かし、きっちりホームで勝ち点を積み上げたい。また、特徴的なプレースタイルであるライプツィヒ、大幅なメンバーの入れ替えに新指揮官を迎えた不気味なポルトとの直接対決できっちり結果を残したい。

◆爆発力十分も日程面とプランBに不安〜RBライプツィヒ〜
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▽豊富な資金力を持つ親会社と智将ラングニックの下、周到にプロジェクトを進めて目標だったCL初参戦を決めたライプツィヒ。若手中心のスカッドとハイインテンシティのパワーフットボールで昨季のブンデスリーガを席巻した新興クラブは、今大会出場チームでも最も躍進が期待されるダークホースだ。

▽今夏の移籍市場ではMFフォルスベリ、FWヴェルナー、MFナビ・ケイタと主力の残留に成功し、チームの補強方針に合致したMFカンプルやFWブルマ、FWオギュスタンと質の高い若きタレントを補強し、懸念された選手層の問題を解決。だが、リーグ戦と並行して中3日に近い強行日程で持ち味のハイインテンシティをキープできるかは、蓋を開けてみなければわからない。同様に、昨季終盤からハイプレス回避のロングボール、ポゼッション放棄という対戦相手の対策が進んでおり、それを打ち破るプランBの構築が求められる。したがって、前述の課題を克服できるかが、グループステージ突破に向けた大きなカギとなる。

◆主力流出に新指揮官招へいで不安材料多し〜ポルト〜
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▽今グループで最も実績を持つポルトだが、近年の成績不振とFFPの処分回避のために行った主力売却、指揮官として大きな実績がないセルジオ・コンセイソン新監督の招へいもあり、グループ最低の評価とした。

▽今夏の移籍市場ではFWアンドレ・シウバ、MFルベン・ネヴェスとクラブの将来を担う2人の若手逸材に加え、複数の主力を放出。その一方で、補強に関してはFWアブバカルやDFリカルド・ペレイラなどレンンタルバックが中心となり、昨季に比べて戦力面の低下は否めない。それでも、国内リーグではコンセイソン監督の採用する[4-4-2]を基本としたソリッドなトランジションフットボールが機能し、ベシクタシュから復帰のアブバカルがすでに5ゴールを挙げる活躍をみせ、開幕5連勝のロケットスタートを切った。CLの舞台でも国内リーグの勢いを生かして序盤戦から勝ち点を積み重ねていきたい。