スーチー氏、国連総会を欠席へ ロヒンギャ対応への批判高まるなか

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ミャンマーの事実上の指導者アウンサンスーチー国家顧問兼外相が来週から始まる国連総会を欠することが13日、明らかになった。政府報道官がロイター通信に語った。

ミャンマー西部ラカイン州では先月末以来、約37万人のムスリム(イスラム教徒)系少数派ロヒンギャが暴力を逃れようと避難している。同州内では村全体が焼き討ちにあった場所も複数ある。

国連はミャンマー政府が民族浄化をしていると非難している。ミャンマー軍は、ロヒンギャの武装勢力と戦っているとしており、市民が標的になっているとの報道を否定している。

仏教徒が多数を占めるラカイン州に住むもののロヒンギャは大多数がイスラム教徒で、ミャンマーで長く迫害の対象になってきた。ミャンマーは彼らを不法移民だと考えている。ロヒンギャは数世代にわたってミャンマーで生活してきたが、ミャンマー国籍は与えられていない。

国連安全保障理事会は、ロヒンギャ危機を議論する会合を今月20日に予定している。

スーチー氏をこれまで支持してきた西側諸国の関係者も、同氏がラカイン州での暴力を止める努力を十分していないと批判している。

15年間にわたった自宅軟禁中の1991年に、ミャンマーの民主化運動への貢献を評価されノーベル平和賞を受賞したスーチー氏は、現在のミャンマー政府の事実上のトップだと広く考えられている。

チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世や南アフリカのデズモンド・ツツ元大主教、パキスタン人活動家のマララ・ユスフザイさんなど過去のノーベル平和賞の受賞者たちも、暴力をやめさせるためにスーチー氏が行動するよう呼びかけている。

スーチー氏は今月19日から25日にかけて開かれる国連総会に出席する予定だった。

ミャンマー政府の報道官はロイター通信に対し、スーチー氏には「もっと緊急を要する課題があるかもしれない」と述べた。さらに、スーチー氏が「批判を受けたり問題に対峙したりするのを恐れることはない」と付け加えた。

スーチー氏は昨年9月、ミャンマーの指導者になって初めて国連総会で演説した際、ロヒンギャの扱いをめぐる危機的な状況に対応しているとして、ミャンマー政府を擁護した。

ミャンマーの国連大使はラカイン州の衝突の原因はロヒンギャの武装勢力にあると主張。ミャンマー政府は同州で見られたような残虐行為を容認することはないと述べた。

しかし避難民の多くは、8月25日のロヒンギャ武装勢力による複数の警察施設への襲撃が発端になり、軍はロヒンギャを追い出そうと暴力をふるい村を焼き討ちにしていると語っている。

ラカイン州を訪れることは厳しく規制されているが、政府が手配した現地取材に参加した数少ない記者の一人、BBCのジョナサン・ヘッド記者は、ムスリムたちの村が焼き討ちにあっても警察が止めに入らない様子を伝えている

ゼイド・ラアド・アル・フセイン国連人権高等弁務官は11日に、ミャンマー情勢について「民族浄化の典型的な例」だと述べたが、ミャンマー政府は発言を激しく非難した。

多くのロヒンギャ難民が押し寄せている隣国バングラデシュのシェイク・ハシナ首相は、ミャンマーが難民の帰還を受け入れるよう求めた。同首相は、「私個人のメッセージは非常に明確だ。彼ら(ミャンマー政府)は今の状況を人道的な見地から考えるべきだ。子供たちや女性など人々は苦しんでいるからだ」と述べた。

「これらの人々はミャンマーの人々だ。100年あるいはそれ以上住んできた。彼らが自分の国の国民でないと、どうして言えるのか」

(英語記事 Myanmar's Aung San Suu Kyi to miss UN General Assembly debate)