ラファエル・ナダル【写真:Getty Images】

写真拡大

元コーチのトニ氏は、トップランカーに欠場者続出の状況に無念さをにじませる

 男子テニスのグランドスラム今季最終戦、全米オープンは世界ランキング1位に君臨するラファエル・ナダル(スペイン)の優勝で幕を閉じた。トップ選手の実力者不在の影響から、一部では「史上最も簡単な優勝」との声も上がったが、ナダル陣営は「誰よりも良いプレーとしていた」と冷静に振り返っている。米スポーツ専門放送局「ESPN」が報じた。

大会後にナダルの優勝を振り返ったのは、長年コーチを務めてきた恩師であり、叔父でもあるトニ・ナダル氏だ。

「このトーナメントはこれまでと異なった。我々はドルゴポロフとルブレフを倒した。(彼らは)良い選手だが、トッププレーヤーではない。相手のことは悪く言いたくないが、今回は開幕前から故障者が出ていた。マレー、ジョコビッチ、ワウリンカ、ニシコリ、ラオニッチ。そして、フェデラーも敗退してしまった」

 今大会は、「BIG4」を形成してきた世界ランク3位のアンディ・マレー(英国)と同6位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が故障で不参加。前回大会覇者のスタン・ワウリンカ(スイス)、同11位のミロシュ・ラオニッチ(カナダ)、そして同14位の錦織圭(日清食品)も右手首の腱損傷により欠場し、さらにロジャー・フェデラー(スイス)との対戦もライバルの準々決勝敗退で実現しなかった。

 ナダルは対戦当時の世界ランキングで、85位のドゥシャン・ラヨビッチ(セルビア)、121位のダニエル太郎(日本)、59位のレオナルド・マイエル(アルゼンチン)、64位のアレクサンドル・ドルゴポロフ(ウクライナ)、53位のアンドレイ・ルブレフ(ロシア)、28位のフアン・マルティン・デルポトロ(アルゼンチン)、同32位のケビン・アンダーソン(南アフリカ)を破って頂点にたどり着いたが、トニ氏はトップランカーたちの不在に無念さをにじませた格好だ。

それでも揺らがない優勝の価値「彼が優勝した他の大会となんら変わりない」

 もっとも、ナダルの偉業が色褪せるわけでは決してない。31歳のベテランとなっても体のメンテナンスを怠ることなくニューヨークのコートに立ち、取りこぼすことなく頂点に駆け上がったのは、確かな実力があってこそだ。グランドスラムの通算獲得タイトル数も16に伸ばし、世界中に「王者の貫禄」を示している。

 トニ氏も「個人的には(優勝は)特別なものではない。 彼が優勝した他の大会となんら変わりない」と優勝の価値について見解を述べている。

「ラファエルは良いプレーをした。大会に参加していた誰よりもね」

 ナダルの故郷マジョルカ島で運営するアカデミーの責任者となった名伯楽は、愛弟子に厳しくも暖かい視線を送っている。