病に伏すバーンズリーのオーナー…ファンに向けて“最期の手紙”を綴る

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 バーンズリーのオーナーを務めるパトリック・クライン氏が、クラブのファンに向けてある手紙を書いた。

 イギリスメディア『BBC』によると、クライン氏は現在末期ガンに苛まれている。12日に行われたカラバオカップ2次予選のダービー戦に勝利した後、2004年からクラブのオーナーに就任した同氏が、残されたわずかな時間を感じつつ筆を走らせた。

「素晴らしい数年間だった」と書き述べた同氏は、「私の人生は残り少ない。痛みとともに短い人生を生きているが、生きていることの素晴らしさを実感している。私のガンは残酷で、つねに予断を許さない状況だ。ここ数ヶ月は私にとって重要であった。家族(サポーター)はいつも私を支えてくれ、残り少ない人生の中で何かを語りたくて手紙を書いている」と記述した。

 続いて「私たちの関係はとても楽しいものだった。もちろん、バーンズリーは私にとってもっとも大切なクラブで、クラブを愛する心を多くのサポーターと共有できたことは幸運なんだ。クラブを購入した時、私は“サッカー人”が誰よりも勝利を欲していることに恐怖を覚え、ほかの人たちに経営を任せていた。しかし、ウェンブリーでの勝利に興奮を感じ、私の考えが間違っていたんだと気づいた。それから、クラブに関わる全員が一致団結して仕事を全うしている。あのシーズンの一体感を再び表現できるか私にはわからない。それでもファンは我慢強く、最高のサポートで私たちを支え続けてくれるんだ」とファンに対して感謝している。

 さらに「死神が私の終わりを告げに来るまで、もっとたくさんの成功を極上なチームと一緒に勝ち取りたい。プレミアリーグに戻ってきて本拠地で感動を分かち合いたいんだ。多くのファンは私のことを消極的なオーナーだと思っており、インターネットでは批判が相次いだ。でも、私のことを温かく迎え入れてくれた人も大勢いたよ。『あなたの行いに感謝している』と書いてある手紙もたくさん受け取ったし、みんな恥ずかしがらず自分の意見を述べてくれた。お礼の言葉しか出てこない」と綴った。

 最後に「今シーズンのバーンズリーはもっと強くなっている。チームに期待しサポートしてほしい。私は希望を胸に旅に出られる。サポーターの皆さんがいいシーズンを送れるよう願い、親愛なる心に敬服したいと思う」と締めくくった。