日本原産の犬種

「日本犬」とは古くから日本にいる日本原産の犬種の総称です。和犬(日本犬)と呼ばれる6犬種と、外来の犬種を日本で交配して作られた犬種がいます。

和犬(日本犬)

1.秋田犬2.甲斐犬3.紀州犬4.柴犬5.四国犬6.北海道犬

「和犬」もしくは「日本犬」と呼ばれる6犬種です。一般的に日本犬という時は、これらの6犬種を表していることが多く、これらの6犬種は国の天然記念物に指定されています。過去には「越(こし)の犬」も入れて7犬種でしたが、残念ながら1971年に純血種が絶えてしまいました。

和犬以外の日本犬

7.狆(ちん)8.土佐闘犬9.日本テリア10.日本スピッツ11.アメリカンアキタ

和犬(日本犬)6犬種以外の日本原産の犬種です。これらの犬種は外来の犬種を日本で交配して作られました。

地犬とは

和犬のように日本の特定地域にのみ生息する犬を「地犬(じいぬ)」と言い、かつては日本各地に地犬が存在していました。長野県の「川上犬」、沖縄県の「琉球犬」はそれぞれの県で天然記念物に指定されています。他にも「薩摩犬(鹿児島県)」「十石犬(群馬県・長野県)」「美濃柴犬(岐阜県)」「山陰柴犬(鳥取県、島根県)」「肥後狼犬(熊本県)」などの犬種は、各土地において保存や固定化の活動が行われています。それ以外にも絶滅寸前の「岩手犬(岩手県)」「三河犬(愛知県)」や、既に絶滅してしまったとみられる地犬が数多く存在しました。

和犬(日本犬)6犬種の特徴

日本犬の中でも国の天然記念物に指定されている和犬(日本犬)6犬種の特徴をご紹介します。

秋田犬(あきたいぬ)

6犬種の中で唯一の大型犬種です。渋谷の「忠犬ハチ公像」のモチーフとなり、映画『ハチ公物語』、『HACHI 約束の犬』などにも出演した犬種です。過去には闘犬や狩猟犬として飼育されてきました。がっしりとした体つきに高い身体能力を持ちます。飼い主には非常に忠実な分、見知らぬ人への警戒心が強いため、番犬として力を発揮します。警戒心と力の強い大型犬なので、しつけはかかせません。

甲斐犬(かいけん)

山梨県原産の中型犬です。山梨県の山岳地帯で猟犬として活躍してきました。現在でも猟犬として働く個体がいます。飼い主以外の見知らぬや人、動物には強い警戒心を表しますが、尊敬し信頼する飼い主には非常に従順で忠実です。一人の飼い主(=主人)を定め一生尽くす「一代一主の犬」と呼ばれています。警戒心が強いため、他の犬に触れ合うようなドッグランの利用や散歩の際は注意が必要です。信頼関係を持ち、尊敬できる飼い主となるためには、メリハリのある生活としつけが必要です。

紀州犬(きしゅういぬ)

和歌山県原産の中型犬です。和歌山、三重、奈良に跨る山岳地帯で猟犬として飼育されてきました。飼育6犬種の中でも家庭犬としての適性が高いといわれていますが、しつけを怠ると危険性を持ち合わせた攻撃的な性格になってしまいます。イノシシをも倒せるほどの強靭な顎を持ち、害を及ぼす相手には強い警戒を示します。なお、元来は賢く、理解力もあるため、信頼できる飼い主がきちんとしつけることで優秀な番犬となります。また、家族と認めた場合、子どもがいる家庭でも飼育が可能な家庭犬となってくれます。

柴犬(しばいぬ)

6犬種の中で最も飼育頭数が多く、唯一の小型犬です。東北地方南部から関東、中部、山陰の各地方に広く分布し、産地によって美濃柴、信州柴、石州柴などと呼ばれてきました。猟犬や番犬として、古くは縄文時代から飼われてきたといわれています。リーダーシップを持った信頼できる飼い主に対しては非常に忠実ですが、見知らぬ相手には警戒心が高く、懐きません。勇敢で賢く、番犬としても活躍します。頑固で独立心が強い面があるため、素人や洋犬に慣れている人にはしつけが難しい場合があります。

四国犬(しこくけん)

四国地方原産の中型犬です。四国山地の山村において鹿や猪の実猟犬や作業犬として飼育されてきました。高知にいた土着犬のため「土佐犬」と呼ばれていた時期もありましたが、「土佐闘犬」と混同されてしまうため、四国犬へと名称変更されました。山地での激しい狩りに耐えることができる体力と持久力を持つため、かなりの運動量を要します。他の和犬同様、信頼できる飼い主には非常に忠実ですが、見知らぬ相手には警戒心を表します。冷静に状況を判断する力があるため見境なく攻撃をすることはありませんが、闘争心も持っているため、他の犬には注意が必要です。

北海道犬(ほっかいどういぬ)

アイヌ民族が飼育してきた「アイヌ犬」とも呼ばれる中型犬です。アイヌ民族の言葉では「セタ」と呼ばれます。中型犬でありながらも、その勇敢な強さとたくましさでヒグマやエゾシカなどの大きな獣を相手に猟をしてきました。北海道の厳しい気候に耐えることができる被毛を持ちます。猟犬として獰猛に育てられてきた面もありますが、家庭犬として飼育する場合は子犬の頃から服従訓練や犬の社会性を備えさせることで、忠実な家庭犬にもなれます。他の和犬同様に、何より飼い主がリーダーシップを取って信頼関係を作ることが大切です。

まとめ

日本原産の犬種は、国の天然記念物に指定されている6犬種と、それ以外にもいくつかの犬種がいます。特に天然記念物に指定されている6犬種は和犬や日本犬も呼ばれ、古くから日本の土着犬として日本人と共に生活してきました。和犬(日本犬)の共通する性格として、信頼の置けるただ一人の主人へ忠実で深い愛情を持つ姿は、まさに「一代一主の犬」ですね。

残念ながら既に絶滅してしまった犬種も数多くいます。各土地で土着犬の保存活動も行われているそうなので、興味のある方は自身の出身地の土着犬につい調べてみてはいかがでしょうか。