9日、湖南省長沙市内で34歳の男が毒蛇のコブラを公園に放した。慈悲の心に基づき入手した動物を解き放すという宗教上の理由による「放生」と呼ばれる行為だった。資料写真。

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湖南省長沙市内で9日、34歳の男が毒蛇のコブラを公園に放した。慈悲の心に基づき入手した動物を解き放すという宗教上の理由による「放生(ほうじょう、ファンション)」と呼ばれる行為だった。中国当局は「放生」の増加に手を焼いている。華声在線など中国メディアによると現地警察は12日、コブラは見つかっていないと発表した。男は身柄を拘束されたという。

長沙市内の湖湘公園に男がコブラを放す動画がインターネットで公開されて、多くの人が知ることによった。警察は10日になり、動画を見た人からの通報で知り捜査を開始。11日になり警察の求めに応じて出頭した男が、湖湘公園にコブラを放したことを認めた。警察は行政処罰として男を5日間、拘留することを決めた。

警察は12日、この件についての記者会見を行った。男がコブラを放した周辺の草むらや林に蛇が嫌う硫黄を散布すると同時に、24時間体制でコブラを探しているが見つかっていないとした。また、市民に対して「パニックになる必要はない」とした上で、コブラを見かけた場合には通報してほしいなどと呼び掛けた。

中国では主に仏教信者の一部が「慈悲の心による」として、購入するなどで入手した動物を解き放すことが問題になっている。本来はいなかった動物が大量に放されたために生態系が乱れたり、大量に放された動物が次々に餓死した事例なども伝えられている。

中国では、共産党員は「マルクス・レーニン主義と両立しない」との理由で宗教を信じることが認められていない。しかし、その他の国民に対しては憲法で「信仰の自由」が認められている。実際には、当局は宗教が勢力を伸ばすことを警戒して厳しい監視や抑圧が存在するが、仏教を含めて宗教を熱心に信じる人は増加し続けているという。

当局は仏教徒などの「放生」に手を焼いている。問題が大きいと判断した場合には、「放生」を行った者に身柄を拘束するなどの処罰を科しているが、各地で問題が散発する状態が続いている。

華声在線は「放生」について、「増加しつつある」と紹介。考え方の出発点は理解できるとした上で、生存能力の強い外来種を解き放った場合には在来種を滅ぼしてしまったり、人に対して直接に危害を与えたり、検疫を受けていない動物を放した場合には他人に被害を及ぼす恐れがあると指摘。動物を勝手に解き放す行為をすれば法律上の責任を負うことになると警告した。(翻訳・編集/如月隼人)