もう一度会いたいと思わせる、「いい印象」を残すコツ

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パっと見の「見た目」の印象は、わずか数秒で決まるといわれている。その数秒の間に、脳はいったい何をどんな順番で決めているのだろう?

私たちがある人を見たときに、気になるのか、気にならないのかは、意思ではなく本能が決めている。もう一度会って仕事をしたいと思うときは、どんなことを考えているのか、脳の反応する順に整理してみよう。

その順番とは、まず「服装などの外見」、次に「立ち居振舞いなどの行動」、最後に「しゃべり方などの言語」という流れだ。これはまったく不思議なことではない。人類、600万年前の本能のままである。

健康状態も外見に出る

人類はその昔、見知らぬ相手に出くわしたときに、敵なのか見方なのか、近づいてよいのか、まず武器を持っていないかを見てきた。現代のビジネスシーンに置き換えれば、着こなしを含め着ている服に、隙がないかを見られている。髪型からは、自己主張の強さが見える。肌の調子や白目(強膜)のにごりには、内臓の健康状態が表れる。

相手に「合わせられる」人か?

立ち居振舞いを見る原点は、相手と戦ったときに勝てるのかどうかだった。自分より動作のスピードがはやく、鋭くこちらを見る人は、あなたより自分が強いと思っている。

幸い、現代ではマナーというルールがある。とはいえ、作法にかなっていればよいだけではなく、気遣いがあるかが問題だ。相手が自分と同じようなテンポで動き、身のこなしがスマートならば、一緒にやっていけそうだと感じるはずだ。

言葉は内容もスピードも大事

言葉に関しては、通じるかがそもそもの問題だった。現代では、交渉力がそれにあたるだろう。話す内容のみならず、スピードや聞き取りやすさも重要になる。気持ちよく耳に入ってくるスピードは1秒間に6〜7語程度。相手をけむに巻くような難しい用語をちらつかせるのはマイナス印象になる。

逆を返せば、話が噛み合わないときこそ、腕の見せどころだ。抽象的な言葉で共通の方向性を探して、具体的なたとえで互いのメリットが出せれば、もう一度、会ってみたいと思われる存在になれる。

こうしてみると、いわゆる「見た目」を整えるのは難しい。よく見られているのと同時に、相手のことをよく見なくてはならない。

今から100年以上前に、アイルランド出身の劇作家、オスカー・ワイルドはすでにそのことを指摘していた。「ものごとを見た目で判断しないのは浅はかな人である。世の中の真の神秘は目に見えないものではなく見えているものだ」(『ドリアン・グレイの肖像』1890年)と。

読み手を挑発するような表現だが、もちろん、変わり者扱いされた彼ならではの皮肉が込められてる。見た目がまともな人にかぎって、中身はどうなのか怪しいものだ、という意味だ。

こうなると、出会った人の印象を判断するのにますます慎重に考えねばならない。しかし、お互いをしっかり見るという意味では、ありがたい箴言だ。