『大人のための国語ゼミ』(野矢茂樹/山川出版社)

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 仕事や学校でプレゼンテーションを行っても、伝えたいことが正確に伝わらなかったという経験はありませんか? また、日常会話の中で「何がいいたいのかはっきり伝えてほしい」といわれたことはありませんか? これらの経験をしたことがある人には、「国語の力」が足りないのかもしれません。「国語の力」を身につけると、プレゼンが成功するだけではなく、質問されたことに的確に答えられるようになる、読み手に理解してもらいやすい文章を書けるようになるなどの効果があります。この「国語の力」の効果について、詳しくご紹介しましょう。

「国語の力」を身につけると、プレゼンが魅力的になる

 巷では、プレゼンテーションを魅力的にするテクニックがさまざまに紹介されています。アニメーションの使い方やビジュアル的なインパクトの与え方など改善の工夫は豊富に存在していますが、最も大切なのは聞き手に「聞きたいと思わせる」ことです。

「聞きたいと思わせる」には、「相手の立場に立って」プレゼンの資料を作らなければなりません。この点は、すでにご存じの方も多いと思います。しかし、「相手の立場に立って」というのは、アニメーションやビジュアルの工夫をすることではありません。聞き手が、プレゼンする商品について、すでに何を知っていて、新たにどんな情報を知りたがっているのかを考えることが重要です。つまり、聞き手がすでに知っている情報は手短に、知りたがっている情報は詳しくわかりやすく説明する、というのが「聞きたいと思わせる」一番の方法になります。

 この方法でプレゼン資料を魅力的に作りあげるには、事前に聞き手が何に興味を持っているのか、何に詳しいのかを調べたり、人に聞いてみたりするなどして知っておくとよいでしょう。聞き手が不特定多数の場合は、商品を売り込みたい人に的を絞るとうまくいきやすくなります。

質問にうまく答えて、さらに印象をよくすることができる

 プレゼンが終わった後には、質疑応答の時間がある場合がほとんどです。質問に答えることが苦手、特に、想定していなかった質問をされた時にうまく答えられないという悩みを持つ人は少なくありません。質問にうまく答えるには、まず相手の質問の意図を理解し、次に相手の期待している答えとは何かを考え、最後に相手に答えを伝えるプロセスが必要になります。当たり前のことのように思われるかもしれませんが、相手の質問の意図をよく理解できていないままに見当違いな答えをしてしまい、相手に「そういうことじゃなくて」といわれてしまう人は多いのです。

 プレゼン後の質疑応答でスマートに答えられると、新しい契約につなげることができるだけではなく、相手に「デキる人だ」と評価され、今後も継続していっしょに仕事をしていきたいと思ってもらえるようになります。プレゼン以外でも、会社でのスムーズな意思疎通によってミスを大幅に減らすことができる、日常会話でのストレスが減るなどのメリットもあるのです。

プレゼン資料やブログの文章がわかりやすくなる

 プレゼンで配る資料がわかりにくい文章で書かれていると、聞き手は資料に書かれていることを理解することに集中してしまい、プレゼン全体が台無しになってしまいます。また、ブログで文章を書く場合にも、きちんと伝えたいことをわかりやすく文章で表現する力がなければ、読者を集めることはできません。わかりやすい文章を書く場合も、読み手が何を知りたがっているのかを理解していることが重要です。そして、思いつくままに書くのではなく、読み手が理解しやすい順序に気をつけながら文章を書く必要があります。これらは、「国語の力」を身につけることで自然とできるようになるのです。

「国語の力」を身につけるには、実践あるのみ

 以上のようなメリットを得たい、「国語の力」を身につけたいと思った方におすすめしたいのが、『大人のための国語ゼミ』(野矢茂樹/山川出版社)です。本書には、「国語の力」を身につけるための問題と著者による解答例、わかりやすい解説が豊富に盛りこまれています。著者によれば、「国語の力」は、実際に問題に向かってみなければ身につかないのだそうです。「国語の力」でお悩みなら、一度本書の問題にトライしてみてはいかがでしょうか。