イアン・ソープ

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 もう、日本はコリゴリかもしれない。オリンピックの競泳で5つの金メダルに輝いたイアン・ソープ(34)は、オーストラリアの国民的スーパースター。ところが、小池百合子都知事を表敬訪問する前日、警察署に連行された挙げ句、尿検査を受けるハメに。一体、何があったのか。

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 2000年のシドニー五輪で3つ、次のアテネ五輪でも2つの金メダルを獲得し、競泳界の王者として君臨したソープ。ところが、8月21日、東京・六本木の繁華街で、パトロール警官から不審人物として目を付けられたのである。

「午前11時ごろ、パトロール警官がTシャツにジーンズというラフな格好で歩いている長身の白人男性を見つけました。挙動不審だったため、職務質問を行ったところ、パスポートを所持していなかったのです」

イアン・ソープ

 と明かすのは、警視庁の薬物捜査にかかわる捜査関係者である。

「酒に酔っている様子はなかったのですが、バッグのなかを検(あらた)めると、微量の白い粉末が付着していた。なので、近くの麻布署に任意同行されました。最初から、その白人男性は、イアン・ソープだと名乗っていたそうですが、パトロール警官は、まさかあの伝説のスイマーだとは思ってもみなかったみたい。麻布署で、英語の達者な捜査員が事情聴取すると、生年月日などが一致。さらに、ホテルに置きっぱなしだったパスポートから、本人であることが確認できました」(同)

検査の結果は…

 しかし、白い粉末が違法薬物の疑いがあったため、尿検査を求めたという。

 捜査関係者が続ける。

「粉末自体は微量過ぎて、検査できませんでした。そこで、尿検査になったのですが、ソープさんは、“初めてのことでどうしていいかわからない”“大使館に連絡させてほしい”と、しきりに訴えていた。捜査員が1時間にわたって説得を続け、ようやく応じたのです」

 その結果は陰性で、すぐさま解放。ソープには、とんだ災難だったわけだ。しかも、プライベートで日本に遊びにきていたわけではなく、実はその翌日に、小池都知事との面談が控えていたのである。

 都の政策企画局外務部に聞くと、

「ソープさんは、22日の朝7時から約1時間、オーストラリアのニューサウスウェールズ州の首相らと『東京辰巳国際水泳場』を視察しました。その後は、都庁に移動し、小池都知事と約30分間の面談をしています。都は東京五輪に向け、携帯電話などのリサイクル金属で約5000個のメダルをつくろうとしているのですが、そのプロジェクトへの表敬訪問でした」

 オーストラリアのオリンピック大使を務めるソープは、その仕事のために来日していたのである。

 現地特派員によれば、

「現役引退後の14年、ソープはテレビ番組でゲイであることをカミングアウトしました。と同時に、過去10年間、うつ病とアルコール依存症に苦しみ、自殺まで考えたと告白した。オーストラリアでは今年中にも、同性婚の是非を問う国民投票が行われます。ソープは、賛成派のキャンペーンに担ぎ出されたりしていますが、いまも人気は高く、スーパースターであることに変わりはありません」

 なぜ挙動不審の状態だったのかは判然としないが、下手をすると、国際問題に発展することもなくはなかったのである。

2017年9月14日号 掲載