ゲームの重要性を説き、俗に言う「6ポイントゲーム」だと選手たちに話して鳥栖戦に臨んだ。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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 仙台の渡邉晋監督による現役指揮官コラム「日晋月歩」の第24回。テーマは”直接対決”を意味する「6ポイントゲーム」だ。戦前の鳥栖との勝点差は5。中位以上に食い込むためにも、すぐ上の順位にいるチームとの対戦は大きな意味を持つ。どのような想いで臨んだのか。振り返ってもらった。
 
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[J1リーグ25節]仙台 4-1 鳥栖/9月10日(日)/ユアスタ
 
 この試合前の時点でベガルタは勝点29の12位、鳥栖は勝点34の9位。だからこそ、試合前日からこのゲームの重要性を説き、俗に言う「6ポイントゲーム」だと選手たちに話して試合に臨んだ。
 
 勝てれば中位から上の順位に目を向けられ、もし負けたり、引き分けたりしたら再び下のチームを気にしながら過ごさなければいけなくなる。ルヴァンカップの準々決勝で鹿島を下して勝ち抜けた自信、そして勢いを持続させるためにも大切な一戦だった。
 
 また25節の札幌戦で敗れていた(0-1)だけに、重要度は一層高かったと言える。残り10試合を「まだまだある」と捉えるのか、「もうない」と思うのかでも違うだろう。加えて、9月唯一のホームゲームなので、サポーターが喜んでくれる試合を披露したいという想いも強かった。
 
「6ポイントの価値がある試合だ。試合が終わった後に『もっとやれたんじゃないか』と思うことのないよう、今ある力、エネルギーをすべて出し切ってくれ」とも話し、選手たちも気合いがかなり入っていたと思う。
 
 ただ、展開としては前半は苦労した。あまり良い形でボールを動かせず、自分たちの良さを鳥栖に上手く消されてしまった部分もある。
 
 そんな悪い流れでも得点できたのは意味があるし、後半にはしっかりと修正して、やりたいことを表現してゴールも奪えたのは素晴らしかった。ただ、最後の失点は余計だったかな。
 
 いずれにせよ、この勝利によって26節のFC東京戦で勝利すれば、ひと桁順位までジャンプアップする可能性が出てきた。勝点3を積み上げたことで「上位にチャレンジする資格を得た」とも言えるかもしれない。
 
 そういった機会を自分たちで手繰り寄せられるのか、それとも上が落ちてくるのを待つのかではかなり違う。能動的にチャンスを掴むと、「やるぞ!」とポジティブな状況にすることができる。
 守備面では、暑い夏がひと区切りしたこともあって積極的に前からプレスを掛けることができている。少し変化を付けたい、という目論みがあったうえでのチャレンジだ。
 
 対する攻撃面だが、前線の層が厚くなった実感はある。以前は1トップ+2シャドーの組み合わせを試行錯誤しながら、なかなかハマらないこともあった。しかし、今は全員が調子を上げてきていて、嬉しい悲鳴を上げている状況だ。
 
(野津田)岳人は利き足とは逆の右でゴールを決めた。2015年にうちを相手にエディオンスタジアム広島で得点していて、だから事あるごとに「お前の右足にやられたことがあるんだから、仙台に移籍してきてからも右足で決めろ」って言っていた(笑)。
 
 そうしたら、本当に点を取ってくれた。しかも右足で。どうやらユアテックスタジアム仙台で行なったリオ五輪最終予選の壮行試合でも右足でゴールしたらしく、仙台絡みだと利き足ではなくても得点してくれるようだ(笑)。
 
 ナオ(石原直樹)に関しては、鳥栖戦の2ゴールで今季通算7得点。「ふた桁得点するぞ」という話もしていて、残り9試合で3得点ならば十二分に可能だろう。
 
 試合翌日のトレーニングの際に選手たちには「『大事だぞ』と言っていた鳥栖戦に勝った次の日に言うのはなんなんだが、本当に大事なのは次のFC東京戦だ」と声を掛けた。
 
 次も勝てればいろいろなものを手繰り寄せられると思っている。そう考えると、最後に喫した1失点のようなシーンをなくす、いわゆる「隙」をなくさなければ上には行けない。しっかり気を引き締めてやるしかないのだ。
 
「俺たちはまだまだなんだ」という認識を持ちつつ、「もっとやれるんだ」という欲を持ってこれからも前進していきたい。。
 
構成:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
 
※渡邉監督の特別コラムは、J1リーグの毎試合後にお届けします。次回は9月16日に行なわれる26節・FC東京戦の予定。お楽しみに!

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