ファッションサイト「デイリー・フロントロウ(Daily Front Row)」の授賞式でプレゼンターを務めたモデルのアシュリー・グラハム(2017年9月8日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】信じられないほどスリムでゴージャス、一つの欠点もなく美しい女性たちのイメージが何年もの間、ファッション雑誌や広告看板、テレビのスクリーンにあふれていた。しかし今、26歳のイギリス人モデル、イスクラ・ローレンス(Iskra Lawrence)はファッション界における、あり得ない美の基準との闘いに挑んでいる。SNSを通じ、多様性について全力で訴えかけているのだ。

 ローレンスは、ますます増えつつあるプラスサイズの有名モデルの1人。自身を「ボディ・アクティビスト(身体活動家)」と呼び、健康的で幸福なライフスタイルを提唱している。彼女はクライアントに、自分の写真をフォトショップ(Photoshop)で画像加工しないように求めている。

「フォトショップの概念は、幻想だもの」とローレンスは語る。彼女は次なる撮影でアイスランド(Iceland)のビーチへ旅立つ前の貴重な休憩時間に、AFPの取材に応じてくれた。「それらは欠点ではなくて、あなたの体の一部。私たちは社会とメディアによって、なにか間違っているかのように信じさせられていた」

 イギリスでは、約57パーセントの女性が肥満度指数(BMI)の平均以上とされる。アメリカではその数字は62パーセントにも上り、女性の平均サイズは14〜16。ローレンスは平均するとアメリカサイズの10〜12だが、それでもモデルとしては太りすぎていると、何年もの間、言われ続けてきた。ランウェイでのサンプルサイズはゼロサイズになることもあるからだ。

 しかし変化は進行中だ。アシュリー・グラハム(Ashley Graham)は昨年、スポーツ・イラストレイテッド(Sports Illustrated)誌の水着特集の表紙に選ばれた、初の”曲線美”モデル。今や誰もが知っている存在だ。

 グラハムは2月のファッションウィークで「マイケル・コース(Michael Kors)」のランウェイを歩いた初めての曲線美モデルとなる。また今シーズンは、ファッションサイト「デイリー・フロントロウ(Daily Front Row)」が主催するファッションアワード・ナイトのホストを務め、10日には再び「プラバル・グルン(Prabal Gurung)」のランウェイをジジ・ハディッド(Gigi Hadid)とともに歩いた。

■完璧である必要はない

 モデルだけではない。ポップカルチャーにも突如、曲線美を誇る強い女性像が溢れている。歌手のアデル(Adele)やビヨンセ(Beyonce)、コメディアンのエイミー・シューマー(Amy Schumer)やメリッサ・マッカーシー(Melissa McCarthy)、そしてテニス界のスター、セリーナ・ウィリアムズ(Serena Williams)などだ。

 数日前、「ディオール(Dior)」や「サンローラン(Saint Laurent)」など数多くのトップブランドを所有する、フランスの高級ブランドグループ「モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)」と「ケリング(Kering)」は、度重なる拒食症に関する報道を受け、サイズゼロのモデルを広告やファッションショーで起用しないと約束した。

 現在ニューヨーク(New York)を拠点とするローレンスは、週に何度も飛行機に飛び乗る。「アメリカンイーグル(American Eagle)」や、そのランジェリーライン「エアリー(Aerie)」のキャンペーンに起用され、インスタグラム(Instagram)のフォロワーは400万人に近い。

 6年前、ローレンスはロンドンの契約担当者に面と向かって笑われ、仕事でニューヨークに行くことは絶対に叶わないだろうと告げられた。「傷ついた」と彼女は当時を振り返る。それから彼女は2013年に設立された大手モデル事務所「JAGモデルズ(JAG Models)」と契約を交わし、ニューヨーク・ファッションウィーク(New York Fashion Week)のランウェイを歩き、タイムズスクエア(Times Square)の広告に無修正で登場した。「未加工のイメージを見ることで、人々は完璧である必要はなく、そのままで良いのだと気付いてくれる」と彼女は語る。