絶大なキャプテンシーと圧倒的なカリスマでチームを束ねる主将たち【写真:Getty Images】

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イタリアの象徴。王者を束ねる伊達男

 優れた組織には、必ず優れたリーダーがいる。もちろんサッカー界も例外ではない。プライドの高いスター選手たちをまとめあげるには、監督だけでなくピッチ上にもリーダーが必要だ。圧倒的なカリスマとキャプテンシーを備え、ヨーロッパのトップレベルで活躍する闘将たちを紹介する。

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ジャンルイジ・ブッフォン

【生年月日】
1978年1月28日

【所属クラブ】
ユベントス

 39歳となった今も世界トップレベルの守護神と認識されるイタリア代表GKジャンルイジ・ブッフォン。ユベントスに数々の栄光をもたらしただけでなく、2006年はW杯優勝も経験した。しかし、チャンピオンズリーグでは3度決勝に臨み、いずれも準優勝に終わっている。

 ユベントスは2006年にカルチョスキャンダル発覚で降格処分を受けた。これに伴い主力の多くがクラブを離れたが、守護神は残留を決断。この男気はユベントスファンを喜ばせ、揺るぎない信頼を勝ち取っている。

 チームが批判にさらされれば、自身が率先して前に立ち、仲間を守る。定型句のようなコメントばかりになってしまいがちな今日のサッカー界で、しっかりと議論することができる。そういった男らしさも、ブッフォンがユベントスファン以外からも尊敬される理由だ。

新天地でも主将を任される“元”ミスター・チェルシー

ジョン・テリー

【生年月日】
1980年12月7日

【所属クラブ】
アストン・ヴィラ

 昨季までチェルシー一筋のキャリアを過ごし、偉大なキャプテンとして活躍したジョン・テリー。ピッチにおけるキャプテンシーやリーダーシップは、チェルシーファンを虜にした。

 その一方で、人間性を疑う声があることは否定できない。元チームメートのフィアンセとの不倫や、代表でチームメートだったリオ・ファーディナンドの弟であるアントン・ファーディナンドに対する人種差別発言疑惑で、2度もイングランド代表主将の座をはく奪されたことはあまりに有名だ。

 それでも、チェルシーで選手としての役目を終えた36歳の天性のリーダーには、この夏にアストン・ヴィラから声がかかった。スティーブ・ブルース監督がチーム全体に好影響をもたらすと信じて獲得を熱望したためだ。もちろん新天地でもキャプテンを任されている。

レスターを奇跡の優勝に導いた無口な巨人

ウェズ・モーガン

【生年月日】
1984年1月21日

【所属クラブ】
レスター・シティ

 ジャマイカ代表のウェズ・モーガンは、イングランド生まれイングランド育ちの33歳。地元クラブのノッティンガム・フォレストで2002年にプロデビューを飾る。だが、2部と3部を行き来する同クラブで活躍しても、なかなか全国区の選手にはならなかった。

 転機となったのは2012年のレスター移籍だ。2013年にジャマイカ代表としてデビューを飾ると、2014年に2部チャンピオンシップ優勝。30歳で初のプレミアリーグを経験することになった。

 レスターでプレミアリーグを制したクラウディオ・ラニエリ監督は、モーガンをディズニー映画『ジャングルブック』のバルーに例えた。普段は口数が少ないものの、彼が話すとみんなが耳を傾けるような存在だと語っている。

ピッチにおらずとも影響力絶大。新興勢力を牽引する魂のDF

ヴァンサン・コンパニ

【生年月日】
1986年4月10日

【所属クラブ】
マンチェスター・シティ

 マンチェスター・シティとベルギー代表を圧倒的な威圧感で支える主将ヴァンサン・コンパニ。その両方で2011年からリーダーシップを発揮しているが、キャプテン就任が比較的早かったこともあり、まだ31歳だ。

 コンパニは常に怪我との戦いを強いられてきた。コンスタントに出場しているときは世界一のCBという声も少なくなかったが、頻繁に負傷離脱してしまう。それでも、彼がピッチに立てばチーム全体の守備が安定感を増す。コンパニ自身の能力が高いことはもちろんだが、持ち前のリーダーシップがディフェンスラインを統率するのに役立っているのは間違いない。

 信頼を集める能力とリーダーシップでチーム全体を正しい方向に導ける稀有な主将だ。

真の闘将にして“チョリスモ”の体現者

ガビ

【生年月日】
1983年7月10日

【所属クラブ】
アトレティコ・マドリー

 アトレティコ・マドリーがディエゴ・シメオネ監督のサッカーを実現できる理由の一つとなっているのが、同クラブで育ったガビの存在だ。

 2011年にアトレティコ復帰を果たしたガビは、翌年主将に就任。シメオネのスタイルはチームにハードワークを強いるものだが、キャプテンであるガビが率先して実行することで、全体のハードワークへと変貌を遂げる。シメオネの戦術だけでなく魂=“チョリスモ”もピッチに伝える闘将だ。

 アトレティコで成功を収めるシメオネだが、指導者として成功ばかりではなかった。ガビのような主将がいなければ、実現できないスタイルなのかもしれない。

text by 編集部