米デビュー戦で6度目の防衛に成功した井上尚弥【写真:Getty Images】

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圧勝劇で井上が残したもの…米メディア脚光「ニエベスを叩きのめしたのに…」

 ボクシングのWBOスーパーフライ級タイトルマッチ12回戦(米カリフォルニア州)で6度目の防衛に成功した井上尚弥(大橋)。同級7位のアントニオ・ニエベス(米国)に対し、6回TKOで衝撃の米デビューを飾った。世界に「ナオヤ・イノウエ」の名前を知らしめた一戦では「モンスター」と呼ばれる24歳のある哲学が際立っていた。米メディアが脚光を当てている。

 日本の王者が世界を震撼させた衝撃の米デビュー戦。結果は6回終了時点でニエベスの棄権によるTKO勝ちたったが、井上の凄さを感じさせたのは試合後のコメントである。

 米ボクシング専門サイト「Boxing Sense.com」によると、こう語っている。

「最高に気持ちいい勝利ではなかった。でも、次の一戦に向け、この試合を土台として学んでいくつもり。彼は試合を通して回避し続けていたから、僕にできることはそれほど多くはなかった」

 実際、井上にとって“消化不良”というべき場面があった。

両手を広げて煽るも“消化不良”「イノウエは完璧主義者に近い考えの持ち主」

 格下とはいえ、世界トップランカーのニエベスが逃げ回り、井上は「攻めてこいよ」と言わんばかりに両手を広げるシーンがあるなど、ボクシングにならないシーンもあった。

 記録に残ったのは6回TKOという事実。それでも、完膚なきまでに打ちのめすことができなかったに満足できなかったようだ。記事では、そんな井上を称賛を持って、こう評している。

「ニエベスを叩きのめしたにも関わらず、イノウエは完璧主義者に近い考えの持ち主のようだ」

 井上の神髄ともいうべきモンスターの哲学。それは海を渡った米国でも、目を見張るものがあった。しかし、一方で試合中には怪物らしからぬミスもあった。

2回で起きたミス…終了の合図を勘違い「目を疑うような初歩的ミスを犯した」

 2回。終了を知らせる10秒前の合図を勘違いして、相手に背を向けて下がろうとしてしまった。「目を疑うような初歩的なミスを犯した」と記事では言及されているが、素直に反省の弁を述べていたという。

「僕は一心不乱になっていた。実際は、一心不乱になりすぎていた。それがああいう無駄な動きを生んでいた部分がある。それは認めないといけない」

 完勝の中でこういったシーンがあったことも、井上を満足させない要因となったのだろう。

 しかし、勝ちながら、反省を積み重ねることができるのは王者たるゆえん。海外メディアも「完璧主義者」と認めるモンスターの哲学がある限り、井上尚弥がリングに沈む姿は到底、想像できない。