ラファエル・ナダル【写真:Getty Images】

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トップ11選手が5人欠場、トップ25以内と対戦せず…米メディアが“物言い”

 テニスの男子シングルス世界ランク1位のラファエル・ナダル(スペイン)は全米オープンで自身16度目のグランドスラム優勝を果たした。だが、スペインの帝王の偉業には世界14位の錦織圭(日清食品)らトップ選手の実力者不在の影響から「史上最も簡単な優勝」という声も上がっている。

 決勝でケビン・アンダーソン(南アフリカ)を6-3、6-3、6-4のストレートで下したナダル。自身10度目の優勝を果たした全仏オープンに続く、今季2度目のグランドスラム優勝を果たした。31歳の偉業は称賛されてしかるべきだが、その道のりには海外メディアから“物言い”がついている。

「FOXスポーツ」電子版は「ナダルの全米オープン優勝はグランドスラム史上最も簡単なものだったか?」と特集。ナダルのニューヨークでの頂点までの道のりは、ランキング下位の相手が多かったことを紹介している。

 対戦当時の世界ランキングで、1回戦は85位のドゥシャン・ラヨビッチ(セルビア)、2回戦は121位のダニエル太郎(日本)、3回戦は59位のレオナルド・マイエル(アルゼンチン)、4回戦は64位のアレクサンドル・ドルゴポロフ(ウクライナ)、準々決勝の53位のアンドリー・ルブリョフ(ロシア)、準決勝は28位のフアン・マルティン・デルポトロ(アルゼンチン)だった。

 アンダーソンも準優勝でランキングを15位まで上げたが、大会中は32位。2009年全米オープン覇者のデルポトロの28位が最上位で、トップ25以内の相手とプレーすることはなかった。

「最も簡単」の声も31歳の偉業は色褪せず…勝ったのは王者の強さあってこそ

 故障に苦しめられてきたデルポトロは、準々決勝でロジャー・フェデラー(スイス)を下して勝ち上がってきた順位以上の実力者だが、記事では「タイトルまで相対的に簡単な道のりを享受したことは否定できない」と指摘している。

 その裏では、トップ11選手の5人が欠場という異常事態が影響している。記事では「ナダルはツアーの何人かのビッグガンズの故障による欠場という恩恵を授かっていた。アンディ・マレー、ノバク・ジョコビッチ、スタン・ワウリンカ、ミロシュ・ラオニッチ、 そして、ケイ・ニシコリだ」と指摘している。

 錦織は大会前に右手首の腱の損傷により、今季残りのツアー参戦を取りやめて治療に充てることを発表。マレー、ジョコビッチというBIG4の両雄に加え、前回覇者ワウリンカ、ラオニッチ、そして、錦織の欠場が「最も楽な優勝」につながったという。

 今大会も第7シードのグリゴル・ディミトロフ(ブルガリア)、第9シードのダビド・ゴフィン(ベルギー)、トマーシュ・ベルディハ(チェコ)、ニック・キリオス(オーストラリア)、アレキサンダー・ズベレフ(ドイツ)などの実力者もナダルを戦う前に敗退するという幸運にも恵まれた。

 ただ、「最も簡単」とも呼ばれたナダルの偉業は色褪せることはない。31歳のベテランとなっても体のメンテナンスを怠ることなくニューヨークのコートに立ち、取りこぼすことなく頂点に駆け上がったのは、王者の強さがあってこそだ。