温暖な気候をもたらす黒潮(暖流)に今、異変が起きているらしい。

太平洋の日本列島沿いに北上している黒潮が12年ぶりに東海沖で大蛇行。漁場に変化が起きているほか、静岡の海岸では大型のサメが出没し、サーフィン中の男性が足を噛まれ負傷した。さらに今冬は首都圏で大雪に見舞われる可能性があるという。

元気象庁予報官の饒村曜(にょうむら・よう)青山学院大講師がゲスト出演し、黒潮大蛇行の原因と影響を探った。

東シナ海からやってくる黒潮は幅100キロ、時速9キロ(ジョギング並み)で通常、太平洋を日本列島に沿って北上している。ところが気象庁によると、東海海上で大きく南に大蛇行するようになっている。

大蛇行の原因は東海沖にできた大きな『冷水渦』。この渦を避けるように大きく南に蛇行している。なぜ『冷水渦』が発生したのかは、大気と海水の相互作用とか海底の地形の影響など、諸説あるが本当のところは分からないという。

静岡ではシラス漁に影響

この大蛇行は、すでに水揚げ日本一を誇る静岡のシラス漁などに影響が出ている。

黒潮はプランクトンが少ないために透明度が高く、青黒く見えることから黒潮と呼ばれているが、流れの変化から黒潮の一部が遠州灘方面に入り込んでおり、餌のプランクトンが少なくなったシラスなどの小魚にとっては住みにくくなっている。

12年前の2004年の時の大蛇行では、シラス漁は前年が7000トンだったのが2400トンに激減。さらに大蛇行で、黒潮に乗って回遊するカツオ、マグロ、イワシの漁場が変化し、遠くなったことから大打撃を受けた。

漁業関係者は、変化している漁場に対応し漁場を移しているが影響は避けられないという。

一方、大蛇行によって黒潮の一部が東海地方の沿岸に入り込み、潮位が10〜20センチ上昇する可能性ある。1977年10月の大蛇行では、潮位が高くなったところへ接近した台風の高潮で、東海地方では広範囲に住宅が浸水する被害があった。

さらに大蛇行の年の冬は首都圏で雪が降りやすくなるという。饒村元予報官によると、「大蛇行によって低気圧が南海上に下がるため、低気圧めがけて北からの寒気が入り込み大雪になりやすい」という。前回2004年の大蛇行の年は、東京で21年ぶりに大晦日に大雪になった。

饒村元予報官は「これから台風シーズン。高潮には警戒が必要です」と話している。