国連安全保障理事会は11日(現地時間)、北朝鮮への原油・石油精製品の輸出を制限し、北朝鮮製の繊維製品の輸入を禁じる内容などが盛り込まれた新たな対北朝鮮制裁決議2375号を全会一致で採択した。

石油輸出に上限

北朝鮮が3日に6回目の核実験を強行してからわずか9日という短期間での採択は、北朝鮮の核、ミサイルの脅威に対する国際社会の重大な認識が反映されたものだ。

今回採択された制裁決議2375号は、北朝鮮に対する原油の供給、販売、移転の上限量を、過去12カ月の輸出量(推算値)に近い年間400万バレルと定めた。決議を主導した米国は当初、全面禁輸を推進しようとしたが、中国、ロシアとの協議の結果、レベルダウンした形となった。中国は、パイプラインを通じて借款の形で北朝鮮に年間50万トンとも言われる原油を供給しているが、これが今回の制裁の対象に含まれるかは定かではない。

繊維製品は全面禁輸

また、北朝鮮への石油精製品の供給、販売、移転の上限は年間200万バレルに定め、国連加盟国に対して毎月の報告を求めた。それ以外にも、北朝鮮への天然ガス液などの供給を禁じた。

これにより、現在450万バレルと推定されている石油精製品の年間輸出量で約55パーセント減り、原油と石油精製品などを含めた全体の油類供給量が3割減少するものと見られている。

一方、北朝鮮の主要な外貨収入源の一つである布地、衣料品、中間製品、完成品などの繊維製品は全面禁輸となった。

中国遼寧省の丹東、吉林省の琿春の繊維業者は、日本、韓国、欧米のアパレル企業から注文を受け、北朝鮮の工場にアウトソーシングし、完成品に中国製のタグを付けて輸出してきたが、このような行為ができなくなる。

労働者の海外派遣については、安保理の対北朝鮮制裁委員会の事前承認を得ない限りは、新規雇用が禁止される。現在、雇用されている労働者は制裁委員会への報告を条件に雇用継続が認められるが、更新はできず、契約が満了すれば帰国することになる。

繊維製品禁輸と労働者海外派遣の制限で、北朝鮮が失う外貨収入の額は10億ドル(約109億5000万円)になると専門家は見ている。

禁輸品目を積んでいると疑われる北朝鮮船舶について、国連加盟国が公海上で旗国の同意を得た上で、臨検することを促す内容も含まれた。当初の義務化より若干後退した。

代わりに、公海上での臨検に旗国が同意しない場合、船舶を適切な港に移動させて臨検する義務を課し、旗国が拒否した場合には、国連の制裁委が当該船舶を資産凍結の対象に指定することにした。

草案では「船の同意なしで必要なあらゆる手段を使って運航を禁じ、捜索できるようにする」としていたが、軍事衝突につながりかねないとの懸念からレベルダウンとなったものと思われる。

加えて公海上で北朝鮮の船舶とその他の国の船舶間の物品のやり取りも禁止される。海産物は禁輸対象となっているが、北朝鮮と中国の船が公海上で密かに海産物を取引する行為が横行していた。

今回の制裁はそれを封じ込めるものだ。

このほか、朴永植(パク・ヨンシク)人民武力相、朝鮮労働党中央軍事委員会、組織指導部、宣伝扇動部の1人の個人、3つの機関の海外資産凍結と旅行禁止が定められた。当初米国が盛り込もうとしていた金正恩氏と妹の金与正氏の資産凍結は、今回の制裁決議には含まれなかった。

金融分野では、北朝鮮の個人・団体との合併企業の開設、維持、運営を全面禁止し、既存の合併企業は120日以内に閉鎖することを定めた。

今回の採択で、国連安保理の対北朝鮮制裁決議は、北朝鮮の1回目の核実験に対応した2006年の1718号、2009年の1874号、2013年の2087号、2094号、2016年の2270号、2321号、2017年の2356号、2371号に次いで、9回目となった。