【コラム】ライバルが初のフル出場…長友は好調インテルで定位置を掴めるのか

写真拡大

 セリエA第3節、インテル対SPALは10日の12時30分(日本時間19時30分)キックオフだったこともあり、日本で生中継を楽しんだ人も多かったのではないだろうか。ただ残念ながら、日本代表DF長友佑都はプレーしなかった。

 インテルは2−0で勝利を収め、ユヴェントス、ナポリとともに開幕3連勝という好成績だ。ルチアーノ・スパッティ新監督の手腕が光っていて、インテリスタの期待の高さはこの日、セリエBから昇格したSPAL相手に詰めかけた5万7235人という観客数にも表れていた。また、SPALサポーターも3000人ほどがサン・シーロにかけつけていた。

 そんな好調のチームで、長友にレギュラー定着のチャンスがあるのかを考えてみたい。

 SPAL戦は、インテルがニースから獲得したブラジル人DFダルベルトの初スタメン、そしてフル出場の試合となった。彼は直前のインターナショナル・マッチ・ウイークでもミラノに残り、スパッティ監督から細かい戦術の指導を受けていたという。23歳のブラジル人は181センチで、セリエAデビューとなったローマ戦では高さとスピードでチームの危機を救った。身長と年齢を比べると長友よりは有利な条件だ。

 しかし、今回のSPAL戦では全くいいところがなかった。本拠地デビューに臆してしまったのだろうか。それともスパレッティ・イズムがまだしっくりと体になじんでいないのか。力強さがなく、左サイドのイヴァン・ペリシッチとのコンビネーションもまずまず。前半にはボールをキープしたペリシッチがいら立ったように、パス出しのためのポジションをダルベルトに指示する場面も見られた。パスミス13回も多すぎる。

 経験値では長友の方が遥かに上回っている。そして、これまで何度もインテルでレギュラー争奪戦に臨んできた。今回は代表戦明けということもあり、コンディション的にはダルベルトの方がよかったはずだ。だがダルベルトが今後、調子に波のあるプレーが続いたり、スパレッティ監督の指示を完全に理解してピッチでいいパフォーマンスを見せることができなければ、長友にも必ずチャンスは巡ってくる。

 最後になったが、SPALの粘り強い守備力に敬意を表したい。PKとペリシッチの素晴らしいゴールで敗戦となったものの、インテル相手に徹底的に真正面からプレーし、決してひるむことはなかった。インテルのスパレッティ監督が試合中にゲキを飛ばしすぎて声がかれ、会見に出られなかったほどだ。スパレッティ監督がかなりの危機感を感じていた証拠だ。2−0というスコア以上にインテルがSPALに苦しめられた内容だった。

 SPALのレオナルド・センプリチ監督は今シーズン、初めてセリエAの舞台を経験している。クラブはマルコ・ボリエッロやアルベルト・パレスキなどセリエAの経験のある選手を何人も補強した。初戦のラツィオ戦、そして続くウディネーゼ戦でドロー、今回は初黒星となった。しかし、もしかすると毎シーズン必ず現れるサプライズ・チームとして脚光を浴びるかもしれない。第5節でミラン、第6節でナポリと強豪相手が続く。これをどう乗り切るかが序盤のヤマになるはずだ。

文=赤星敬子