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「日本代表はオーストラリア戦、サウジアラビア戦で同じシステム(4-3-3)、同じ戦い方をしたが、結果、内容はまるで違った」

 知将として知られるミケル・エチャリはW杯アジア最終予選2試合の選手総括をする前に、そう断っている。結局のところ、チームが集団で機能していないとき、選手が個人で活躍するのは難しい。しかし、どのような状況でも、選手としての性質は見えてくるものだ。

 エチャリはレアル・ソシエダでホセバ・エチェベリア、ハビエル・デ・ペドロ、アグスティン・アランサバル、シャビ・アロンソら名だたるスペイン代表選手を発掘。ハビ・マルティネス(バイエルン)やアントワーヌ・グリーズマン(アトレティコ・マドリード)もアドバイスを求める存在だった。また、戦略担当だったシーズンには相手の弱点を見抜き、チームのチャンピオンズリーグ出場に貢献している。

 では、そのスペインの目利きは、日本代表の選手たちのプレーをどのように評価したのか。

川島永嗣(オーストラリア戦、サウジアラビア戦ともにフル出場)

GK
川島永嗣
オーストラリア戦は吉田麻也との連係で、後半に危うい場面があった。吉田との意思疎通の悪さは今年6月のイラク戦でも見られた。ただ、サウジ戦では一転、1対1の場面で足でボールをかき出すなど、高い防御力を見せた。

DF

酒井宏樹(オーストラリア戦、サウジアラビア戦ともにフル出場)

酒井宏樹
オーストラリア戦は右サイドでダイナミックな攻め上がりを見せた。ヘディングも強く、攻撃のセットプレーでも惜しい場面があった。サウジ戦はチームの不調で目立たなかったが、サイドに深く進入し、セットプレーでは高さ、強さで相手の脅威となっている。


長友佑都(オーストラリア戦、サウジアラビア戦ともにフル出場)

長友佑都
オーストラリア戦は1点目を右足クロスでアシスト。相手の右ウィングバックにフタをした。サウジ戦も原口元気へのアシストなど、攻撃ではまずまずの動きを見せた。ただ、相手選手と1対1になった場面で振り切られ、決定的なシュートを打たれている。


吉田麻也(オーストラリア戦、サウジアラビア戦ともにフル出場)

吉田麻也
オーストラリア戦は終盤、ツートップになった相手に苦労した。サウジ戦は裏に走る相手に対して後手に回った。目の前のスペースに入った相手を消すようなインテンシティ(強度)が欠けている。また、以前からずっと指摘していることだが、ターンに問題を抱えており、背後が心配だ。攻撃時、セットプレーでの高さは変わらず武器になっている。



昌子源(オーストラリア戦、サウジアラビア戦ともにフル出場)

昌子源
オーストラリア戦は後半途中までは盤石だったが、終盤は混乱があった。吉田と同じく、インテンシティに欠け、バックラインのスペースに入る選手を潰せない。サウジ戦ではセットプレーから際どいヘディングを放っていた。

MF

長谷部誠(オーストラリア戦にフル出場)

長谷部誠
味方のセットプレーの際、相手のカウンターを発動させないポジショニングはすばらしかった。数的不利を強いられながらも、試合の中で対応。アンカーとして、バックラインと連係し、前の4人のMFを完璧にカバーしていた。オーストラリア戦の日本は、長谷部を中心にそれぞれの選手が近い距離を保ち、守備陣形を崩さなかった。選手としてのIQが高い。


井手口陽介(オーストラリア戦、サウジアラビア戦ともにフル出場)

井手口陽介
オーストラリア戦では相手のボランチをしつこく封じ、カウンターでも素早く帰陣。キックの質が高く、2点目を決めただけでなく、セットプレーでも相手に脅威を与えていた。サウジ戦は悪かったわけではないが、プレーに関与する機会が極端に減り、中盤の距離感の悪さを修正できなかった。


山口蛍(オーストラリア戦、サウジアラビア戦ともにフル出場)

山口蛍
オーストラリア戦は平均点。サウジ戦はアンカーに入ったが、まるで仕事ができなかった。ビルドアップのボールを受けるタイミングが悪いし、守備ではやみくもにインターセプトを狙い、ポジションを留守にする機会が多く、サイドにまで釣り出されていた。セットプレーのこぼれ球のシュートなどは持ち味なのだろうが……。


柴崎岳(サウジアラビア戦に先発、後半35分まで出場)

柴崎岳
サウジ戦に右インサイドハーフで先発。精度の高いプレースキックで、チャンスを演出している。右サイドで何度かボールに絡み、攻撃の形を創り出した。しかし活躍は単発的で、本田圭佑や山口との距離感が悪く、後半になると消えてしまった。

FW

浅野拓磨(オーストラリア戦に先発、後半44分まで出場。サウジアラビア戦は後半から出場)

浅野拓磨
オーストラリア戦は猛烈なプレッシングでチームに貢献。先制点はセンターバックの背後を狡猾に奪っている。サウジ戦はチームの不調もあり、働きどころがなかった。


久保裕也(オーストラリア戦は後半44分から、サウジアラビア戦は後半35分から出場)

久保裕也
オーストラリア戦、サウジ戦ともに終盤に交代出場。所属クラブでの問題なのか、以前のキレを失っている。


本田圭佑(サウジアラビア戦に先発、前半のみ出場)

本田圭佑
サウジ戦で先発したが、本来の出来には程遠かった。何度もボールを失い、パスも乱れ、サイドを突破するようなプレーも乏しく、フィットしていなかった。


乾貴士(オーストラリア戦に先発、後半31分まで出場)

乾貴士
オーストラリア戦は主に守備面での貢献が大きかった。攻撃ではボールを呼び込み、カウンターを発動させた。ゴールに迫りながらも決めきれなかったが、それでも動きは効果的だった。


原口元気(オーストラリア戦は後半31分から出場。サウジアラビア戦はフル出場)

原口元気
オーストラリア戦は後半途中から出場。インテンシティの高いプレーで、2点目は猛烈なプレスからきっかけを作った。先発を外れた理由はわからないが、このシステムで戦うなら、日本の中心となる選手のひとりだろう。ボールを奪った後、攻撃へのトランジション(切り替え)で迫力と技術を備える。サウジ戦では、チーム状況が悪くても健闘。決定機に顔を出すなど、フィールドプレーヤーでは唯一可能性を感じさせた。ボールを奪いにいく強度やタイミングがすばらしい。


大迫勇也(オーストラリア戦に先発、後半41分まで出場)

大迫勇也
オーストラリア戦、相手のセットプレーでは常にカウンターの起点として前線に残り、孤立しながらも堅実なポストワークを見せていた。


岡崎慎司(オーストラリア戦は後半41分から出場。サウジアラビア戦は先発、後半22分まで出場)

岡崎慎司
オーストラリア戦は交代で出場し、チームに酸素を与えた。一方、サウジ戦は先発したが、試合感覚の欠如が理由なのか、プレーが噛み合わなかった。本来、とても賢いストライカーなのだが……。


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