英EU法廃止法案第1回採決は賛成多数、審議は次の段階へ

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[ロンドン 12日 ロイター] - 英下院は12日、欧州連合(EU)離脱に伴いEU法を国内法に置き換える「廃止法案」の最初の採決を実施し、326対290の賛成多数で可決した。

この結果を受けて、審議は次の段階に進むことになる。

11日に行われた同法案に関する2回目の審議は8時間以上続き、採決は深夜にずれ込んだ。最大野党労働党は同法案に盛り込まれた一部の条項は、政府による「権力奪取」に等しいと非難していたが、否決に持ち込むには与党保守党内のEU残留派による造反が必要だった。

メイ首相は可決を歓迎する声明を出し、「われわれは強固な基盤で交渉を進められる」と強調。同法案は「EU離脱に向けた確実性を高め、見通しを明確にしている」とした。

野党労働党は政府が譲歩しなければ法案に反対するよう党員に呼びかけていたが、7議員が有権者の意思を尊重する必要があるとして造反した。

労働党の影の内閣でEU離脱担当相を務めるスターマー議員は「法案は議会民主主義に対する侮辱であり、閣僚による権力奪取だ」とし、「離脱プロセスをより不透明にし、団結と明確さが必要なときに分断と混乱を引き起こす」と批判した。

廃止法案では、EU法を国内でも通用するよう置き換える際に閣僚に幅広い権限を認めている。

このため労働党だけでなく与党保守党内でも、政府が議会の審議を経ずに法に変更を加えるのではないかとの懸念が出ている。

廃止法案は今後、下院、さらに上院でも議員から修正要求に直面する見通しだ。

議員からは、法案を上院へ送る前に、政府の権力乱用を防ぐ措置や労働者の一部権利を保護する条項を盛り込むよう求める声などが上がっている。

法案可決には下院と上院が最終案の文言で合意する必要があり、可決は数カ月先になる可能性がある。

*内容を追加しました。