先日シュピーゲル誌に対して、ロベルト・レヴァンドフスキはバイエルンへの批判を展開していたが、このことについてバイエルン・ミュンヘンのカール=ハインツ・ルメニゲCEOは厳しく批判した。「ロベルトは随分と、パリのことで頭を混乱させているようだね。ただ彼はサッカー選手としてここと契約していて、それで大金を稼いでいるはずなのだが」

ビルト紙にそう語ったルメニゲ氏は、さらに「このような発言は残念なことだよ。ロベルトはこの前の後半戦でも、フライブルク戦のあとでサポートがないなんて、チームメイトへの批判も言っていたしね」とコメント。その影には代理人の存在があるとも考えており、「そもそもあのインタビューは、クラブとは関係のなくやられたものだ。それは結局、ロベルト自身にとって悪くなってしまうものなのだがね」と言葉を続けている。

「民主主義も言論の自由も尊重しているが、しかし特に最近は随分と、たいそう立派な言葉が口にされているようだね。サッカーに集中もせずに。クラブを傷づけるような発言は控えてもらいたい、だからミュラーがブレーメン戦後に話した言葉も、あまりいいものとは思わないよ。ベンチにいることで不満をもつことはいい、だがそれを公の場で言うことは間違っている。不満があるのであれば、個人的に私のところに来て欲しい。その術を心得ている」

さらにレヴァンドフスキは、最近はパワーバランスが崩れて来ているとも感じており、「選手が移籍したいと思えば、そうできるみたいな感じだよね」とも発言。これはレアル・マドリードとの繋がりが指摘されているポーランド代表主将としては意味深とも取られかねないものだ。だがルメニゲ氏の答えは「ロベルトが思っているほど、選手側に力があるとは思わないね」というものであり、「そもそも彼自身、2021年までの契約があり、例外条項は含まれてはいないのだが」とチクリ。アジアツアーに対する苦言についても、「彼のお気に入りといわれているレアル・マドリードは、うちよりもアジアに2倍の滞在日数を割いていたのだがね」と語った。

ただそれでもレヴァンドフスキが長期にわたりバイエルンに残るかについては、チャンピオンズリーグでの成功にもよることにはなるだろう。同選手はインタビューのなかで、クラブへの忠誠心という質問に対し「美しい言葉だね。ロマンチックな考えだ。プライベートな部分も重要になってくるけど、でもトップスポーツの世界では他のことも大切になってくるもの。成功と金さ。この二つこそが、移籍において重要なものになるんだ。それ以外の何者でもない」と断言。

そのためボルシア・ドルトムントを後にし、バイエルン・ミュンヘンへCL優勝を夢見て加入したレヴァンドフスキだったが、それまで過去4年で3度CL決勝の舞台にたったバイエルンだったものの、その気持ちとは裏腹に加入以降は、たった一度も決勝進出さえ果たすことができていない。

ヘーネス会長「我々には、もっと別の問題がある」


一方でバイエルンのウリ・ヘーネス会長は、ルメニゲ氏の発言に対して、「そこまで気にしなくてもいいだろう。もっとリラックスしたほうがいい」との考えを述べており、これを実際にルメニゲ氏に伝えたかまではわからないが、一定の距離をおく姿勢を示したとはいえそうだ。実際にバイエルンでは問題がないわけではなく、そもそもホッフェンハイム戦で早くも黒星がつく波乱があり、もしもこのことがなければ雰囲気も異なるものだったはず。

同会長は「自分たちの問題を解決するということだ。我々は開幕からそこまでいいプレーを見せていたわけではないし、それを改善していかないと。今週末の問題はロベルト・レヴァンドフスキのインタビューではなく、ホッフェンハイム戦で精彩を欠き敗戦したということにある。私はそのことを気にしている。慌てる必要まではないがね。」と強調している。


そんななかで行われるアンデルレヒトとのCLグループリーグ初戦では、パオロ・タグリアヴェント氏が主審を務める。これまでバイエルンは同氏が主審を務める試合では対戦はなく、一方のアンデルレヒトは、2014年にドルトムントと対戦。その時には、0-3で敗戦を喫した。

バイエルン・ミュンヘンの先発予想:ノイアー - キミヒ, ハビ・マルティネス, フメルス, ラフィーニャ - トリッソ, ルディ - ロッベン, T.ミュラー, F.リベリ - レヴァンドフスキ

RSCアンデルレヒトの先発予想:セルス - ナハル, デシャハト, スパイッチ, オブラドヴィッチ - トレベル, デンドンケル - ブルーノ, ハンニ, オニェクル - テオドルチク