安保理会合の模様=(聯合ニュース)

写真拡大

【ニューヨーク聯合ニュース】北朝鮮の6回目核実験を受け、国連安全保障理事会が11日夜(日本時間12日朝)、北朝鮮への原油・石油精製品の輸出量を約3割減らし、北朝鮮製の繊維製品の輸入を禁じる内容の制裁決議を全会一致で採択した。

 北朝鮮政権の命綱である石油類が国連による制裁対象に含まれるのは初めて。ただ、全面的な石油禁輸と、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に対する制裁は除かれるなど、米国が採択を目指した超強硬な原案からは多くの部分で後退した。核・ミサイル開発をやめない北朝鮮を交渉のテーブルに引っ張り出すなど態度の変化につなげられるか、実効性が問われそうだ。

 それでも核心だった全面的な原油禁輸を巡っては、これを推進する米国と阻止に動いた中国・ロシアが対立の末、上限を設けて全体の供給量を減らすことで妥協し、中ロが拒否権を行使し決裂するという最悪の事態は避けられた。特に6回目核実験から9日という短期間での採択は、北朝鮮の核・ミサイル脅威の深刻さに対する国際社会の重大な認識が反映されたといえる。

 一方、北朝鮮の外貨収入源を締め付け、エネルギー供給を減らそうとする制裁決議に、北朝鮮の強い反発が予想される。

 この日採択された安保理決議は、北朝鮮の核実験などの挑発を最も強い表現で非難し、北朝鮮に対し核・ミサイル開発を完全に放棄しさらなる挑発をやめるよう求めた。

 北朝鮮への原油輸出は過去1年の推定400万バレルを超えてはならないとした。米国は全面的な原油禁輸を目指したが、上限を設定することで譲歩した。年450万バレルと推定される北朝鮮への石油精製品の輸出も、55%減の年200万バレルまでとなる。

 超軽質原油のコンデンセートと液化天然ガス(LNG)の北朝鮮への輸出は全面的に禁じる。原油と石油精製品を含め石油類全体の輸出は従来より30%程度減ると、国連や専門家はみている。

 既存の決議で全面禁止された石炭と並ぶ北朝鮮の主要な外貨収入源である繊維製品の輸出も、全面的に禁止する。

 北朝鮮が海外に送り出す労働者に関しては、安保理の北朝鮮制裁委員会が案件ごとに認めない限り新規の雇用を禁じた。現在雇用されている北朝鮮労働者も契約期間が満了すればそれ以上就労許可は出せない。北朝鮮は現在世界約40カ国に少なくとも5万人以上の労働者を送り出してドルを稼いでいるといわれる。

 北朝鮮からの繊維輸出の禁止で年8億ドル、出稼ぎ労働者の雇用制限で年2億ドル、計10憶ドルの資金流入を断つ効果があるとみられる。

 一方、決議では新たな制裁対象に、朴永植(パク・ヨンシク)人民武力相(韓国の国防部長官に相当)と、朝鮮労働党の中央軍事委員会と組織指導部、宣伝扇動部の3機関を加えた。海外資産が凍結され、渡航が禁じられる。米国の原案にあった金正恩委員長とその妹の金与正(キム・ヨジョン)党宣伝扇動部副部長は対象とされなかった。

 安保理の北朝鮮制裁決議は、北朝鮮の最初の核実験に対する2006年の決議から数え9回目。約1カ月前にも北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)級ミサイル発射に対し決議が採択されている。