■相手が読みたくなる本を5分間でプレゼン

 5分間で「相手が読みたくなる本」を紹介し合う知的書評合戦「ビブリオバトル」が近年、全国各所で盛んに開催されている。

 公立図書館では国内でいち早く一般参加型のバトル開催を始めた県立図書情報館(奈良市)では、月1回ペースで開催されているほか、寺での瞑想(めいそう)も取り入れるなど、さまざまな試みも。いよいよ「食欲の秋」を迎える今月は、16日に「食」をテーマに開催される。

 ビブリオバトルは、設定されたテーマに沿った本を参加者が選び、5分間の発表時間内にプレゼンテーションを行う。聴衆に「読みたい」と思わせることができるかを競う“バトル”で、すべての発表が終われば、それぞれが一番読みたいと思った本に投票。最多得票を獲得した本が、その日の「チャンプ本」に選ばれる。

 同館では8月、夏の恒例行事となった「暁天ビブリオバトル」を19日早朝、奈良市の大安寺本堂で開催。テーマは「迷い」で、県内外から17人が参加。うち6人が、それぞれ選んだ本について発表した。

 発表の前には本堂内で、同寺の河野良文貫主(66)らによる読経を聞いたうえで、瞑想の時間も設けられた。神戸市灘区から参加した弁護士、脇田達也さん(43)は「朝から瞑想できて、とても良かった。リラックスできた」と絶賛。奈良市の公務員、前川純二さん(67)も「お寺でビブリオバトルに参加するのは初めて。違う雰囲気で楽しめた」、橿原市の医療事務員、錦正人さん(38)は「色んな本を知ることはもちろん、色んな出会いがあることが楽しい」と満足した様子だった。

 県立図書情報館では6年前から一般参加型のビブリオバトルを開催しており、この日で81回目。大安寺での開催は同館の乾聡一郎さん(55)の発案で、今年で7回目になる。河野貫主は「日本最古の寺の一つである大安寺は文化発祥の場であり、学問の中心地でもあった。知的な行事が行われることは大歓迎」と話した。

 9月16日のバトルは「食」をテーマに、同館で予定。乾さんは「発表すると、『本は人と人を結びつけてくれる』ということが分かる。初めての方もぜひ、参加してほしい」と呼びかけている。観覧のみの参加も可能で、申し込みは同館Webサイト(http://www.library.pref.nara.jp/)、またはFAX((電)0742・34・2777)で。