演奏会の上演中に災害が起きた−と想定して、実際に観客が鑑賞中に、安全な場所へ避難する訓練を行う「避難訓練コンサート」が県立びわ湖ホール(大津市打出浜)で行われた。

 同ホールは、大津市の指定緊急避難場所に指定されており、3回目の実施。大勢の人が一度に集まる公共施設での災害発生時にパニックを起こさないよう、スタッフの危機管理能力の向上と、観客にも災害時の心構えを知ってもらうことを目的として開かれた。

 訓練開始のタイミングは観客には非通知。今回は、開演後のある曲間に「地震発生」を職員がマイクで伝え、観客に待機を指示。続いて「地震による火災が発生した」など非常放送が入り、避難が始まった。

 55人のスタッフが、非常出口の方向を示すプラカードや拡声器を使って、約330人の観客や出演者を外の安全な場所まで誘導した。全員の無事を確認したあとでホールに戻り、公演の続きを行った。

 訓練が入るため無料のコンサートだったが、舞台には、ホール専属の「びわ湖ホール声楽アンサンブル」のメンバーが登場。ヴェルディ作曲のオペラ『椿姫』より『乾杯の歌』や、人気のアニメソングなどを披露し、演奏でも、観客をしっかり熱狂へ“誘った”。

 観客からは、「子供と一緒に避難の仕方を学べた」といった声や、「拡声器をもっとハッキリと使わないと声が届かないところがあった」などとの意見もあったという。同ホールは「何度もお客さんに入ってもらって訓練を行うことで、マニュアルにない部分などのバックアップもできている」としている。