佐久大学(佐久市)が、「足から始める健康づくり」をテーマに、学校現場などで足の健康診断に取り組むよう提唱している。

 足裏の形状をふだんから把握しておくことで、高齢になっても健康に歩けるようにする狙いがある。産学官が連携したプロジェクトで、今年度中に、簡便な方法でより正確な診断ができる測定器の試作品開発を目指している。 

 ◆精度を高める

 試作品の開発に取り組んでいるのは、佐久大のほか、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)、県工業技術総合センター、長野市に拠点のあるベンチャー企業「システムクラフト」。

 デジタルカメラを使って足裏の形状を測定するといい、足裏の長さや幅、形状、足裏にかかる圧力の分布状態などを数十秒でデータ化する。計測精度は、プラス・マイナス1ミリ程度を目指す。

 大手靴メーカーなどは、3次元で計測できる3D計測機器を備えるが、購入費用が高く、健診用として普及するには財政的な負担が大きい。インク式の計測法も、手書きで足の周囲をなぞって計測しなければならず、1人当たり3〜5分の測定時間がかかるという。

 試作品が完成すれば、実証実験から得られたデータを検証し、実用化に向けた取り組みを本格化させる考えだ。

 佐久大はこのほか、地元の佐久市や医療機関、企業などと連携し、同市足育推進協議会を設立し、健康状態に及ぼす足裏の影響を学び、理想的な歩き方を身につけてもらう活動に取り組んでいる。

 ◆健診義務化訴え

 足裏のトラブルとして知られる扁平(へんぺい)足や外反拇趾(ぼし)などは、足裏から疲れを感じたり、痛みを伴ったりするといった症状が現れる。足のサイズが合わない靴を履き続けていると、指が反る「浮足」や変形する「巻き爪」などの原因になる。膝の痛みなどを引き起こすこともある。

 同大看護学部の坂江千寿子学部長は「いつまでも元気に歩くには、幼いころから足裏の形状を正しく把握することが大切です。それなのに軽んじられている」と指摘する。

 現在、学校や幼稚園などで実施されている健診は、身長や体重など身体発達の項目が中心で、足裏は対象外となっている。

 健診項目を定めた学校保健安全法に基づく規則では、平成28年度の改正時、片足立ちによるバランステストや体のかたさを見る体前屈など運動器疾患の健診項目は追加されたが、足裏の記述はないためだ。

 坂江氏は、足裏の健診を義務化すべきだと訴える。その上で、成長段階に応じて足にフィットする靴を選び、インソールを利用するなどし正しい歩き方を身につけることが大切だとしている。(太田浩信)