府中市で毎年1回開催されてきた落語家、柳家権太楼の独演会「府中権太楼の会」が、18日の高座で幕を閉じる。

 地元市民の尽力で11回を数えたが、中心人物の死や、会場の老朽化などで継続を断念した。

 この会は、地元の太田萬蔵さん(享年80)が権太楼師匠の落語にほれ込んで、府中でもぜひ、落語会をやってほしいと、始まった。しかし、昨年、会の直前に太田さんが急逝。中止も検討されたが、太田さんの追善供養として、開催された。だが、会場の府中グリーンプラザが老朽化し、改築となることから、今回で最終回と決まった。

 チケットは、太田さんが1人で売って歩いたので、昨年は、開催日までどれくらいお客さんが来るのかわからなかった。実際には、多くのお客さんが訪れた。

 権太楼師匠によると、太田さんは落語会当日は、遠慮して、楽屋を訪れることもなかったという。来場者に、丁寧にあいさつをして、その後は会場の最前列の席で楽しんでいた。昨年は落語会のロビーに太田さんの写真が飾られ、権太楼師匠をはじめ、関係者が太田さんをしのんだ。

 「太田さんは、落語を通して、いい晩年だっただろう。この会は、熱心な権太楼ファンに支えられている。今回の最終回、太田さんも満足してくれるでしょう」と、今回の落語会の面倒を見るオフィス・エムズの加藤浩さんは話した。

 「府中権太楼の会」の問い合わせはオフィス・エムズ(電)03・6277・7403。