トイレで逆さ吊りになった女性を消防隊が救助(画像は『Avon Fire & Rescue 2017年9月5日付Twitter「An eventful evening for Temple fire crews.」』のスクリーンショット 画像を一部加工しています)

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デートサイトで知り合った女性と初めてのデートをした男性。レストランで食事し素敵な夜を過ごしたのだが、ひょんなことからあわやの惨事になりかけた。英ブリストルで起こったとんだハプニングを『Bristol Post』『Mirror』など複数のメディアが伝えた。

8月7日の夜、ブリストル大学で社会学を専攻する大学院生リアム・スミスさん(24歳)はデートサイト「Tinder」で知り合った女性と初めてのデートをした。

意気投合したリアムさんは女性(名前は明かされていない)とレストランで食事をした後、自宅へと招いた。1時間ほどして女性はトイレに行ったのだが、それが悲劇の始まりだった。

血相を変えた様子でトイレから出てきた女性は、リアムさんに驚くような事実を告げた。女性はトイレで排便したのだが、水が流れずパニックに陥った。初めてのデートの相手宅でこのままにしておくことなどできないと焦った女性はティッシュで便を掴み出し、あろうことか窓の外に放り投げた。

しかしリアムさん宅の浴室の窓は2重窓になっており、内側の窓は上部しか開かないうえ、開かない外側の窓との間には狭い隙間がある。女性はそうとは知らずに便を放り投げたのだが、不運にも汚物は窓の隙間に落ちてしまった。

焦った女性はリアムさんに事情を告げて助けを求めた。リアムさんはこの女性の心情を察して解決法を考えたが、窓を割って便を取る以外に考え付かなかった。そこで窓を割るためのハンマーを探しに行って戻ってくると、なんと女性は自力で便を取り出そうと試みており、狭く開いた窓に頭と肩部分を突っ込んで腕を伸ばそうとしていた。

しかし腕が届かず、女性はリアムさんに「私はアマチュアの体操選手だから逆さまになれば届くと思う。だから手伝って」と頼み、リアムさんは不安を感じながらも女性の腰を持ち上げて押し上げることにした。ところが狭い窓と窓の隙間に入り込んだ女性は逆さまになった状態で、全く身動きできなくなってしまった。

15分間もそんな状態だった女性に、リアムさんは他に選択肢がなく消防署へ通報した。そして「Avon Fire & Rescue」の消防署員はサイレンを鳴らしてリアムさん宅に急行し、ギョッとするような光景を目にしたのである。

幸いにもプロによって救出された女性は無傷であり、排泄物もきちんと処理された。しかし救助のために窓ガラスは完全に破損してしまい、大家から300ポンド(約43,000円)の修理代を請求されることになるリアムさんは、その費用の捻出に苦しみ寄付金サイト「GoFundMe」に事情を綴った。

「デートの相手はとても素敵な女性でした。しかし思わぬハプニングによって、私は窓の修理代を支払わなければなりません。300ポンドの修理代は、院生の私にとって1か月分の生活費と同じです。支払う余裕がなく、どうしてもみなさんに助けて頂きたいのです。もし親切なみなさんによって目標金額を上回る寄付金が集まった場合は、2つの慈善団体に半分ずつ寄付するつもりです。現在、世界の60%の人が水洗トイレのない場所で生活をしています。そんな人々を救うための慈善団体『Toilet Twinning』と、このたび素晴らしいスキルで私たちを見事に救ってくれた消防署員をサポートする慈善団体『The Fire Fighters Charity』への寄付を考えています。」

他人にとってはとんだハプニングの笑い話だろうが、本人たちにとってはあわや惨事になりかねない出来事だったこともあり、この件を知った人々からは予想以上の反響があったようだ。「GoFundMe」のアカウントには200ポンド(約28,000円)の目標金額を設定したが、現在2,700ポンド(約38万円)以上の募金が集まっている。

リアムさんとこの女性が二度目のデートをしたかどうかというのは誰もが気になるところだが、リアムさんは「あの後、寄付金アカウントを設置することで相談するために、彼女には一度会いました。今の私は学位論文を仕上げなければならず忙しいのですが、それが落ち着けばまたデートしたいなと思っています。彼女はとても素敵な女性ですが、今後どんな展開になるかはまだわかりませんよ」と話している。いずれにしても、リアムさんにとってはこの女性が“忘れられないデートの相手”となったことは間違いないようだ。

画像は『Avon Fire & Rescue 2017年9月5日付Twitter「An eventful evening for Temple fire crews.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)