【大相撲九月場所(秋場所)2日目】○玉鷲(おしだし)高安× 足の怪我について二所ノ関親方に報告する高安=両国国技館(撮影・蔵賢斗)

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 この男まで、負の連鎖に巻き込まれた。

 3横綱が初日から休場し、優勝候補の期待を背負って土俵に立つ高安が、早くも初黒星を喫した。さらに取組中に右太もも付近を肉離れ。大関2場所目で窮地に立たされた。

 過去6勝8敗と合口の悪い玉鷲を、はね返せなかった。頭で当たってくる相手の突進をまともに受け、ほぼ無抵抗のまま押し出された。土俵での一連の動きの中で負傷したとみられる。

 自力では歩けず、車椅子に乗って花道を引き揚げると、国技館内の診療所へ直行した。会場を後にする際には明るい表情で「大したことはない。そんなに悪くない」と語ったものの、3日目以降の出場については「しっかり検査しないといけない」と明言しなかった。

 高安だけではない。人気力士に負傷者が続出する異例の事態に陥っている。高安と対戦した玉鷲は右足を痛めた。宇良は以前から負傷を抱える右膝の状態を取組中に悪化させ、今後の出場の可否が不透明な状況に。満員札止めとなった館内の熱気とは裏腹に、秋の土俵は大荒れだ。

 過密な巡業日程や力士の大型化など要因はいくつか考えられる。八角理事長(元横綱北勝海)は「けがをしない体作りは本人にしかできない」と険しい表情で自覚を促した。土俵を彩る“役者”は減るばかり。混乱収束の気配は見えてこない。(藤原翔)