「わたしと彼は、明らかに両思いです。お互いに『好き』とか『つきあいたいね』と言いあっています。が、彼は『今はつきあえない』と言います。それがなぜなのか、彼はわたしに説明してくれません。彼はなぜ、わたしとつきあってくれないのでしょうか」

今回はこのご相談にお答えしたいと思います。

■さまざまな彼の「事情」が推測されますが・・・

彼には今、おつきあいしている女性がいるから「つきあえない」と言うのではなくて? あるいは彼はじつは男性が好きで、あなたのことは「かわいいな、いい女性だな」と思うものの、「ちゃんと」交際するのはやっぱり男性がいい、と思っているのではなくて?

いわゆる性的マイノリティの人って、外見からではそうとわからない人ってたくさんいます。そして、そういう人たちのことを「少数派」として「触れない」ようにすることがすでに差別なわけですから……先に触れておきました。

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さまざまな彼の「事情」が推測されますが、一般論として「好き」と「つきあう」は、また別の話だということもある、という事実は、知っておいて損がないように思います。

たとえば男で、キャバクラで遊ぶ人がいますね。それなりに上手に(きれいに)遊んでいたら、客とキャバ嬢という関係を超えて、お互いに「いいな」と思うようになります。で、会話の流れとして「好き」とか「つきあえたらいいね」ということになります。で、男はその気になっているものの、彼女のほうは「彼のことは好きだけど、真剣に交際することはできない、ごめんなさい」となります。

なぜか?

■「好き」と「つきあう」のちがい

客を客としてしか見られないわけでもなく、お互いに好意を寄せあっており、それでもなぜつきあえないと思うのか?

ここに「好き」と「つきあう」のちがいがあります。

好きって、好意の積み重ねだから、わりと簡単な気持ちです。いつも笑顔とか、会うたびにやさしくしてくれるとか、会話していて楽しいとか、清潔感があるとか、そういうディテールのすべてが下から順に積み重なると、「好き」という気持ちが芽生えますよね。

対して「つきあう」というのは、「好き」よりリアルなことでしょ? つまりたとえば「こいつとケンカすることができるか?」とか「彼にすっぴんを見せることができるか?」「彼の職業(収入)の安定度はどうなのか」とか、そういうリアルを(生活臭のするあれやこれやのすべてを)、彼と共有できるかできないか、というのが、つきあうってことですよね?

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彼とあなたは「好き」と言いあっている、ということは、彼もあなたも、お互いにお互いのことが好きだということだと思います。でも「つきあいたいね」というのは、彼にしてみればただの願望であり、実際につきあわないというのは、「生活臭を彼女と共有したくない」と思っているということ。

男が女子に「生活臭を共有したくない」と思うのは、たいてい女子のことをアイドル的に見ているということです。たとえば男は雑誌のグラビアに出ている女子を見て「かわいいなあ、好きだなあ、1回お世話になりたいなあ」と思います。が、「つきあったらめんどくさそうだから、好きだけどつきあいたくはない」と思います。

ただ、実際にリアルにそのグラビアアイドルを前にしたら、「つきあいたくはない」とは言わないです。言うと相手に失礼だから。「好きです、つきあいたいですね」、以上、おわりです。それと一緒。

「生活臭」抜きで、かわいいあなたを、いつまでもかわいいと思っていたい。ゆえに「好きだけどつきあえない」と彼は言う。こんな仮説はお気に召しますか?(ひとみしょう/文筆家)
(愛カツ編集部)