パレスチナの紛争を撮影するために、フォトジャーナリストのMonique Jaquesがガザ地区を訪れたのは2012年のこと。当初、激しい争いによる傷跡を捉えるつもりだったが、彼女の目にとまったのはガザで暮らす女性たちの姿だった。

ガザの現実

パレスチナ社会では女性差別が問題となっている。特にガザでは、暴力だけではなく、プライバシーのない窮屈な日々が続いていると、Moniqueは語っている。

これまで、中東を中心に多くの社会問題に取り組んできた彼女だが、女性たちのリアルを世に広めるため、日々の生活を記録することを決意した。

壁には家庭内暴力の阻止を呼びかけるグラフィティが。

15歳と6歳の姉妹は、紛争後にはじめて家に帰った。しかし、生まれ育った場所は崩壊しており、国連避難所に住むことに。

ガザ北部のベイトハヌンで、瓦礫に埋もれた家族の衣類を取り出す女の子。

ガザにある女性刑務所の中。囚人に子どもがいる場合は、家族が引き取ることが少なく、子どもも一緒に収容されることが多い。

港を眺める2人の少女。しかし、大人になるにつれ自由は少なくなる。

決して諦めない
女としての生き方

「本当の自由はこの町では手に入らない」と、ガザの内情を知る多くの人々が言うそうだ。しかし、Moniqueは女性たちと関わるうちにあることに気づく。

それは若い女性たちが、秘密を囁くように親しい人たちと「希望」を共有していること。ファッションだったり、将来の夢だったり。複雑な状況の中でも、女として力強く生きようとしているのだ。

上の写真は、パレスチナをテーマにしたネイルアート。世界中どこでも美しさは女性たちにとって重要なこと。 

紛争後、弟と一緒に父との夕食を心待ちにする少女Yara。

深刻な電力不足が問題となっていて、一日に使える電気は限られている。停電中に、音楽を選ぶYaraとその友人たち。

「Al-Shifa hospital」の産科病棟で休憩中の医学生。

歌手であるHadeel Fawzy Abushar。彼女の姉妹も全員歌手なのだとか。

結婚前の女性に自室を与えられることは少ないよう。友人の寝室を借りて、つかの間の休息を得るDoaaという女性。

女性サーファーである14歳のSabah Abu Ghanem。彼女とその姉妹は多くの大会に出場するほど、サーフィンに熱中していた。でも、ガザを出て活躍することはなかったそう。

サッカー楽しむ少女たち。16歳までは一通りのスポーツを体験できる。だけど、ガザでは16歳を過ぎた頃に夫探しをするのが普通なのだとか。

ガザでの生活を120ページに渡り記録した著書『GROWING UP IN THE GAZA STRIP』を、遅くとも2018年初めにMoniqueは出版する予定。想像を絶する出来事に直面しても、何度も立ち上がる若き女性の強さについて綴られている。

世界の中でも特殊な土地だと言われているが、そこで暮らす女性たちの姿から見えるのは絶望だけではない。

Licensed material used with permission by Monique Jaques