【ロンドン=岡部伸】英下院は11日、英国の欧州連合(EU)離脱に伴い、国内で適用されているEU法を国内法に置き換える「廃止法案」の審議を行い、最初の採決を行う。

 法案成立は19年春の離脱を円滑に行うために不可欠だが、最大野党の労働党などが反発しており、デービス欧州連合(EU)離脱担当相は、「反対票を投じれば、スムーズで秩序ある離脱は不可能だ」と支持を訴えた。

 法案が成立しなければ、離脱前後で法的安定性が損なわれ、市民生活に影響が及ぶ恐れがある。しかし労働党など野党は、原案通りだと政府の裁量権が強くなり、労働者の権利保護に不安が生じるとして採決で反対票を投じる。

 労働党が否決に持ち込むには、保守党内の親EU議員の造反が必要になるが、英メディアによると、EU寄りの与党議員は、法改正内容を議会で精査できる体制整備を条件に賛成の意向を示している。メイ氏率いる保守党は総選挙で過半数割れし、北アイルランドの地域政党、民主統一党(DUP)と閣外協力で合意したが、採決ではこの連携が試される。

 可決されれば、委員会審議など下院でのさらなる手続きに進み、下院を通過すれば上院に送られる。