インド・ムンバイで、同国の独立70周年を控えて行われたさまざまな宗教の会議でスピーチする、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世(2017年8月13日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世は11日、仏教国ミャンマーから逃れようとしているイスラム系少数民族ロヒンギャの難民危機について、同国の民主化の象徴であるアウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)氏に対し平和的解決を見出すよう求めた。

 AFPは、ミャンマーの事実上の指導者であるスー・チー氏に宛ててダライ・ラマが記した書簡を確認。この中でダライ・ラマはスー・チー氏に対し「平和と和解の精神の下、ミャンマー国民の友好的な関係を回復するために、あなたとあなたの仲間の指導者たちが社会のすべての部分に働き掛けるよう訴える」と述べている。

 これに先立ち8日、記者団の質問によってロヒンギャの危機について初めて発言したダライ・ラマは「あるムスリムたちを苦しめている人々は、ブッダを思い出すべきだ。ブッダならば間違いなく、この哀れなムスリムたちに手を差し伸べただろう。非常に悲しいことだ」と述べていた。

 ミャンマーで何十年にもわたって迫害を耐えしのいできた無国籍状態の少数民族ロヒンギャは、過去数週間のうちに数十万単位で隣国バングラデシュへ逃れている。ミャンマーの人権状況を担当する国連(UN)の特別報告者は、1000人以上が殺害されたとみられ、その大半はロヒンギャだと報告している。

 仏教徒人口が圧倒的に多いミャンマーでは、イスラム教徒のロヒンギャは不法に移住してきた「ベンガル人」だとみなし、ロヒンギャに対する嫌悪が広く存在し、またロヒンギャは市民権を認められていない。扇動的な僧侶らに率いられた民族主義的な仏教徒らは、長期に渡ってイスラムを嫌悪し、イスラム教徒の国外追放を掲げる運動を展開している。

 このロヒンギャ危機をめぐっては、ミャンマーのスー・チー氏が介入を拒否していることに対し、南アフリカのデズモンド・ツツ(Desmond Tutu)元大主教やパキスタン人の人権活動家マララ・ユスフザイ(Malala Yousafzai)さんといった同じノーベル平和賞受賞者からも非難の声が上がっている。
【翻訳編集】AFPBB News