国連安全保障理事会は11日夕(日本時間12日朝)、北朝鮮の6回目の核実験を受けた制裁決議案を採決する。朝日新聞が入手した最新の決議案によると、米国の当初案で全面禁止とした北朝鮮への石油輸出について、一定の上限を設けるにとどめた。北朝鮮からの繊維製品の輸出禁止は盛り込んだ。米国が譲歩した形だが、採決直前まで調整が続けられるとみられる。

 米国が、6日に安保理理事国に配布した当初案をもとに、制裁強化に慎重な中国などと調整し、修正案をとりまとめた。安保理関係者は10日夜、修正案が各国が本国政府に照会した上で採決にかける「ブルー(青色)」と呼ばれる状態となったことを明らかにした。

 米国の当初案では、(1)原油、ガソリンや軽油などの石油精製品、天然ガス液の北朝鮮への全面禁輸(2)北朝鮮製スーツなど繊維製品の輸出禁止(3)国外に派遣する労働者の雇用禁止など、厳しい内容を盛り込んだ。修正案では北朝鮮への石油精製品の輸出枠を年200万バレル(原油換算だと約27万トン)とし、原油は現状の北朝鮮への供給レベルを上限とした。天然ガス液は全面禁輸を維持した。

 国際エネルギー機関(IEA)の2014年の統計では、北朝鮮は原油を年53万2千トン輸入。石油精製品は、ガソリンを1万1千トン、軽油は4万4千トン、重油は26万3千トン輸入していた。天然ガス液の輸入はゼロだった。一方、韓国・IBK企業銀行の者奉鉉(チョボンヒョン)研究委員は、北朝鮮の石油精製品の輸入は年50万トンに上る、と指摘している。

 中国は北朝鮮が不安定になるとして石油禁輸には慎重で、米国が当初案から大幅に譲歩した形だ。ただ、石油を初めて制裁対象にすることで、北朝鮮が弾道ミサイル発射などの挑発行為を続けた場合、石油の禁輸を拡大する足がかりを得るのを狙ったとみられる。