モニター担当からの指示を待ったすえに、自らビデオを確認して判定をFKからPKへと変更したガビルッチ主審。このようにスムーズさに欠く判定が繰り返されるならシステムの見直しを要求する声も高まるだろう。 (C) Getty Images

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 セリエAで今シーズンから導入されたビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)は、開幕からすでに多くの場面で活用されている。だが、用いられて間もないこともあり課題も少なくない。その一つが、最終的な判定を下すまでに時間がかかりすぎることもあるという点だ。
 
 インテルがスパルを2-0で下した現地時間9月10日の第3節でも、この問題が生じている。プレーが止まってからジャッジが下されるまでに、約5分も要したのだ。
 
 問題のプレーが起きたのは22分。マウロ・イカルディからパスを受けたジョアン・マリオがペナルティーエリア内への突破を図り、スパルのDFフランチェスコ・ヴィカーリに倒される。クラウディオ・ガビルッチ主審は当初、ペナルティーエリア外でのプレーとしてFKを指示したが、VAR判定で最終的にPKへとジャッジを変えている。
 
 イタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によると、マリオが倒れてファウルの笛が吹かれたのが21分41秒で、明らかなPKだと分かる最初のリプレイ映像が流れたのが22分04秒。だが、PKの最終判定が下されたのは26分12秒で、イカルディがPKを決めたのは26分45秒だったという。
 
 イタリア『スカイ・スポーツ』によると、昨シーズンまで主審として国際舞台でも活躍し、今シーズンからセリエAの審判部門責任者を務めるニコラ・リッツォーリも、時間がかかり過ぎと認めている。だが、一方で主審とモニター担当審判がコミュニケーションを取るうえでの技術的なトラブルがあったことも強調した。
 
 そのうえで、リッツォーリは「常にこうであるわけじゃない。40秒で正しい解決策にたどり着いたケースもある。今日は主審と連絡を取るうえでの問題があった。技術がうまく機能しなければ、かなりの混乱が生まれる」とつけ加えている。
 
 しかし、問題は判定に時間を要したことだけではない。PKのジャッジが下るまでに5分ほどかかったにもかかわらず、前半のアディショナルタイムは2分だけだった。リッツォーリは「例えばVARのために4分失ったとすれば、そのすべてが取り戻さなければいけない」と、審判団のミスを認めている。
 
 重大なミスを修正するために用いられるVARだが、試合結果への影響も大きいだけに、何よりも結果を重視するイタリアではすでに何度もVARの是非について議論が起きている。今後、誰もが納得するビデオ判定へとたどり着くことはできるのだろうか。