【インタビュー】ダゴバ「ジェットコースターとブルドーザーが同居しているような作品さ」

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7枚目となるアルバム『ブラック・ノヴァ』をリリースするフランスのグルーブ/インダストリアル・メタル・バンド、ダゴバ。リーダーでもあるボーカリスト、ショウターに話を聞いてみた。

◆ダゴバ画像

『ブラック・ノヴァ』について、ショウターは「ダゴバ史上最も映画音楽的なものにもなっている」と語っているが、現在のダゴバを特徴づけているのは、グルーブ/インダストリアル・メタル・バンドという形容だけでは表現しきれない、シンフォニック/エピックな要素である。激しいリフに、一度聴いたら頭から離れないメロディックなコーラス、ヘビーだがキャッチー…メタル/インダストリアル/クラシックがひとつの鍋に投げ込まれ、出来上がったサウンドは、とにかくマッシブだ。『ブラック・ノヴァ』は、「ダゴバ史上最高傑作」という発言も納得の、素晴らしいアルバムである。

──ニュー・アルバム『ブラック・ノヴァ』がリリースになりますが、過去の作品と比べていかがですか。

ショウター:『ブラック・ノヴァ』は、俺たちのアルバムでもっともきちんと構成された作品だと思う。俺たちが愛する音楽、つまりメタルやインダストリアル、それからクラシックがミックスされて、過去になかったレベルの作品に仕上がっているよ。全体的なテンポはよりヘビーになっているけど、それと同時にダゴバ史上最速の曲も入っている。このアルバムは、間違いなく俺たちの作品の中で、最も映画音楽的なものにもなっていると思うね。とにかく超エピックな仕上がりだよ。エモーショナルなジェットコースターとブルドーザーが同居しているような作品さ。

──ダゴバというのはとても面白いバンド名ですが、どのような意味なのですか。仏教用語にもありますし『スターウォーズ』にも出てきますよね。

ショウター:『スターウォーズ』だよ。マスター・ヨーダがいる惑星ダゴバから採ったんだ。正しいスペリングは「Dagobah」なのだけど、最後の「h」をとった方が俺の大好きなメタル・バンドの名前みたいだったからさ。Metallica、Pantera、Sepultraとかね(笑)。この名前を選んだのは、これがとても覚えやすいと思ったから。たった3音節で非常にシンプルだろ?

──こういうスタイルの音楽で、クラシックから影響を受けているというのは面白いですね。どのような作曲家が好きですか?

ショウター:ワーグナー、ベートーヴェン、モーツァルト、チャイコフスキー、他にもたくさんいるよ。一番好きなのは、スメタナの『モルダウ』だね。イ・ビョンウの『エピローグ』も忘れるわけにはいかない。それからハンス・ツィマーやジェリー・ゴールドスミスなどの映画音楽も大好きだよ。

──インダストリアルはどのあたりですか?

ショウター:ラムシュタイン、ミニストリー…それからアンダーグラウンドなDJモノだね。

──アルバムのタイトル『ブラック・ノヴァ』というのは、どのような意味が込められているのでしょうか。

ショウター:ノヴァというのは新星のことだ。星が爆発して、しかしその後ゆっくりと元の明るさに戻っていく。言うなれば、何度も生まれ変わる宇宙の不死鳥にみたいな感じのものさ。アーティストであるということは、来る日も来る日も自分自身という存在を蘇らせ続けるものだと思っている。何かを創造するときには常に新鮮でパワフルなものを提示するためにね。

──アートワークはセプティックフレッシュのセトの手によるものですよね。非常に印象的でシュールレアリスティックなものですが、これはアルバムのテーマと関係しているのでしょうか。

ショウター:そうだね、この人物が黒い玉を口から吐き出しているけど、これは俺たちが経験せざるをえなかったメンバー・チェンジを表している。俺たちは進み続け自由に好きな音楽をプレイするために、メンバー・チェンジをしなくてはいけなかったから。

──それはドラムのフランキーが脱退した件ですか?20年近く一緒にプレイをした彼が昨年バンドを抜けてしまいましたよね。

ショウター:まあ、アートワークをそういう風にも解釈できるということだよ。あくまで一例さ。絵画というのは主観的なものだから、複数の解釈が可能だろう。でもまあ、そういうことさ。この人物が吐き出しているのは、バンドの過去という解釈も可能ということだよ。フランキーの件も含めてね。ダゴバは多くのメンバー・チェンジを経験してきたけれど、それが大きなトラブルになったことはない。俺は何かを変えるとき、たいてい物事は良い方向へと変わるものだと思っているんだ。不幸にも失われてしまった内なる平和を再び見つけるためにね。

──ということは『ブラック・ノヴァ』というタイトルにも、新生ダゴバとしての決意が込められているということですね。

ショウター:もちろんそうさ。「お前を殺しはしないものは、お前を強くする」ということだよ。

──歌詞はどのような内容ですか。いくつかの曲は同じテーマのようですが、コンセプトはあるのでしょうか。

ショウター:歌詞は人生一般についてだよ。愛、死、人との関係、嘘、復讐。すべて人間についてさ。しかしそれは宇宙にも通じることがらだ。俺は非常に人間的な感情と、宇宙の広大さを対比させたかったんだ。

──好きなボーカリスト、影響を受けたボーカリストを教えてください。

ショウター:間違いなくフレディ・マーキュリーだね。彼は神だよ。彼みたいな人がまた現れるのか、甚だ疑問だね。メタルで言えば、ジェイムズ・ヘットフィールド、フィル・アンセルモ、チェスター・ベニントンをとても尊敬している。

──お気に入りのアルバムを3枚挙げるとすれば?

ショウター:メタリカの『And Justice for All』、パンテラの『The Great Southern Trendkill』、クイーンの『Greatest Hits 2』だね。

──2017年5月に初の日本公演を行いましたが、日本の印象はいかがでしたか?

ショウター:人生で一番楽しかった。ショーはクレイジーだったし、ファンはこれまで会った中で最も紳士的で、俺たちに敬意を表してくれた。演奏中はクレイジーに暴れまわるし、たくさんの贈り物ももらったよ。早くまた日本に行きたいよ。毎日そのことばかり考えている。

──では最後に日本のファンへのメッセージをお願いします。

ショウター:3単語で表すよ。アイ・ラブ・ユー。

取材・文:川嶋未来/SIGH

ダゴバ『ブラック・ノヴァ』
2017年9月13日発売
【50セット通販限定 CD+サインカード】¥3,000+税
【CD】¥2,300+税
※日本盤限定ボーナストラック収録/日本語解説書封入/歌詞対訳付き
1.テネブラ
2.インナー・サン
3.ザ・レガシー・オブ・アレス
4.ストーン・オーシャン
5.ジ・インフィニット・チェイス
6.ザ・グランド・エンプティネス
7.ロスト・グラヴィティ
8.ファイア・ダイズ
9.フェニックス・エ・コルヴス
10.ヴァンタブラック
《日本盤限定ボーナストラック》
11.ストーン・オーシャン(デモ)

【メンバー】
シャウター(ヴォーカル)
JL デュクロイセット(ギター)
ウェルター・ティアー(ベース)
ニコラス・バストス(ドラムス)

◆ダゴバ『ブラック・ノヴァ』オフィシャルページ