2017年8月31日にフルモデルチェンジを発表したホンダN-BOX。日本で一番売れているクルマのフルモデルチェンジですから注目度が高いのは間違いないところ。そんな新型N-BOXを市街地で試乗することができました。

今回のフルモデルチェンジにおけるトピックスはいくつもあります。一見すると変化が少なく見えるという声もありますが、機械部分では9割以上が新設計。ボディ(プラットフォーム)、エンジンとも新しくなっています。

利便性においては57cmもスライドする助手席を設定。さらに、ミリ波レーダーとカメラ、超音波ソナーを用いた先進安全装備「ホンダセンシング」を全グレードに標準装備するなど、軽自動車のレベルを引き上げるとも言えます。

今回試乗することができたのは、助手席スーパースライドシート、サイドカーテンエアバッグ、ホンダセンシング、そして新開発VTECエンジンを搭載したNAエンジン車。グレード名は「N-BOX G・EX Honda SENSING」です。

ホンダセンシングの追従クルーズコントロールや車線維持支援システムの仕上がりを確認するならば高速道路を走りたいところですが、N-BOXの使われるであろうシチュエーションを考え、市街地だけを走行。新ボディ・プラットフォームと新エンジンによる走りを中心に確認してみることにしました。

試乗ステージとなったのは横浜みなとみらいエリア。某・自動車メーカーのグローバル本社の近くでした。偶然ですが、試乗車のナンバーは「11-23」。偶然の語呂合わせに、ほんわかとした気持ちになりつつ、ハンドルを握ります、ペダルを踏み込みます。

第一印象として驚かされたのは、パワートレインのリニアリティです。今回、ロングストロークタイプの新エンジンが搭載され、高回転域(4500rpm以上)でのパワーを確保するためにVTECというホンダ独自の機構が採用されていますが、VTECがパワーゾーンに入っていなくても十分以上のトルクを感じます。

さらに、トランスミッションはCVTですが、アクセルオフでの空走感も抑えられていて、アクセル操作だけで速度コントロールをしやすくなっているのです。

言い方を変えると、キビキビと走る印象が強い仕上がり。このあたり、車両重量が従来型と比べて80kgも軽くなっているという部分が効いているのでしょう。N-BOXのようなスーパーハイトクラスでキビキビ走ろうと思うと、ターボエンジンが必須で、NAエンジンでは、少々の我慢は仕方がないと思っていましたが、この新パワートレインはそうした考えを過去のものにします。高速道路での余裕を考えるとターボエンジンの必然性もあるでしょうが、少なくとも街乗りにおいてはNAエンジンで力不足を感じることはないはずです。

ハンドリングについても、ひらりひらりと向きを変えるような軽快さがありながら、全高を感じるような不安定感は皆無。まるで全高1600mmクラスの軽ハイトワゴンのような重心の低さを感じます。こうした挙動には、前後にスタビライザーを備えることで、乗り心地(ピッチング)とコーナリングの安定性(ロール)をうまくバランスさせたシャシーセッティングを感じます。

しかもスライドドアのボディでは剛性不足を感じることも多いのですが、ギャップなどを超えたときでも、そうしたネガはありません。聞けば、新型N-BOXではドア開口部に電極を転がして連続的に溶接する工法(シーム溶接)を採用しています。カットモデルで確認してみると、ほとんどがスポット溶接で、シーム溶接はごく一部ですが、それでも十分にそボディのしっかり感を生み出しているのでしょう。

走りを磨いただけではなく、ラゲッジの開口部は広がり、後席もワンタッチで格納できるなど、利便性も向上した新型N-BOX。発売から一週間足らずで3万台を超える受注を集めたという話も聞こえてくるほど大ヒットが約束された一台は、その期待を裏切らないだけの大きな進化を遂げていたのです。

●ホンダN-BOX G・EX Honda SENSING主要スペック
車両型式:DBA-JF3
全長:3395mm
全幅:1475mm
全高:1790mm
ホイールベース:2520mm
車両重量:930kg
乗車定員:4名
エンジン型式:直列3気筒DOHC
エンジン形式:S07B
総排気量:658cc
最高出力:43kW(58PS)/7300rpm
最大トルク:65Nm(6.6kg-m)/4800rpm
変速装置:CVT
燃料消費率:27.0km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:155/65R14
メーカー希望小売価格(税込):1,596,240円

(写真・文:山本晋也)

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