夫婦共働き、夫の定年後も妻は仕事を続けた方がお得なのか?

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日本は今後、未曾有の超高齢化社会に突入することが避けられそうにない。平均寿命も長くなっている。今の若い人の多くが定年後、悠々自適な第二の人生をスタートさせるというのは幻想になる可能性が高い。夫の定年後も年下の妻が仕事を続けるといったケースは珍しくないが、公的年金や健康保険などを考慮したとき、それが本当に得策なのか不安に思う声もあるだろう。そこで今回、夫の給与という収入がなくなることを踏まえ、どんな生活をおくるとよいのか、無料の家計と保険相談サービスを実施している保険マンモス株式会社にアドバイスをもらうことにした。

■定年退職した夫は、妻の扶養に入ったほうがよい?

初めに、夫を妻の扶養に入れるべきかという疑問をぶつけてみた。

「健康保険料は扶養する人数が増えても変わらないので、定年退職した夫は仕事を続ける妻の扶養に入る方が一般的には得策です。しかし健康保険においては、被保険者と被扶養者の関係性に制限がありますので注意が必要です。条件というのは、『被保険者が自分の配偶者、子、兄、姉、父、母、であること』、『被保険者が自分の生計を支えていること』で、この2点を満たしていれば、退職後に家族の扶養に入ることができます」(保険マンモス)

条件を満たしていれば、定年後は妻の扶養に入るのがよいようだ。

■妻の扶養に入った夫が新たに働く場合の収入は?

次に、夫が定年退職した後に仕事につく場合、収入は扶養の範囲内に抑えるべきなのか聞いた。

「健康保険の扶養に入るためには、年収が130万円未満でなければいけません。また、同居している場合、被保険者の年収より被扶養者の収入が低い必要があり、同居していない場合は被保険者からの仕送りよりも被扶養者の収入が低い必要があります。従って、妻の扶養に入った夫には、扶養の範囲内で働くことをおすすめします」(保険マンモス)

被扶養者が夫であれ妻であれ、扶養範囲内で働くのが得策ということだ。

■妻も仕事を辞めたら、年金の上乗せは期待できるのか?

さらに、一定の条件を満たせば、妻の退職後に年金が上乗せされる制度があるという。つまり、妻が仕事を辞めた方が得策になる可能性があることになる。どういうことか聞いてみた。

「配偶者が65歳になるまで受給することができる『加給年金』という制度があります。年金の家族手当のようなものと考えるとわかりやすいでしょう。加給年金は、『夫が65歳以上または、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の受給者であること』、『厚生年金保険の被保険者期間が20年以上、または、中高齢の資格期間短縮の特例である15〜19年であること』、『65歳到達時点で、年収850万円未満で生計を維持されている配偶者、または、子どもがいること』という条件を満たせば受給できます。ただし、『配偶者が20年以上、または、共済組合等の加入期間を除いた期間が、男性は40歳、女性は35歳以降で15年以上老齢厚生年金に加入していた場合』、『20年以上退職共済年金に加入していた場合』、『障害年金を受けている場合』のいずれかに該当する場合は、受給対象外となります」(保険マンモス)

適応のための条件はいろいろあるが、受給できるならもらいたいところである。

「配偶者が65歳になってからは、配偶者自身の老齢基礎年金が支給され、加給年金相当額が振替加算として上乗せされます。加給年金の受給要件は、妻が仕事をしているのかどうかは問われていません。あえて、デメリットを上げるとすれば、夫が妻の扶養の範囲である場合、一人分で済んだ健康保険料を夫婦で払うことになる点だと思います」(保険マンモス)

妻が稼ぐ金額と、加給年金で受給できる金額、支払う健康保険料などトータルで考えて、結論を出す必要がありそうだ。