ドクターヘリによる救急救命の現場を描いた人気ドラマ『コードブルー 3rdシーズン』。8月7日に放送された第4話では、比嘉愛未が演じるフライトナースがこんな発言をしていた。

「子供や現場のことも考えてヘリは降りることに決めました」

 同僚・藤川との間に赤ん坊を身ごもった冴島だったが、妊娠をきっかけに、ドクターヘリを降りることにしたのだ。

 妊娠で仕事や配置換えをせざるをえない例は、ドクターヘリに限らない。航空会社の客室乗務員も同様だ。日本航空広報室は「妊娠すると、乗務業務から外れなければならない規定があります」と話す。

 理由としては「客室乗務員は安全誘導要員としての仕事があります。私たちの仕事は、お客様の安全が第一です。妊娠すると物理的にこの役割ができなくなる恐れがあります。また、客室乗務員の仕事はハードなので、母体の安全に配慮するという意味合いもありります」とのことだ。

 全日空も同様に「妊娠すると規定により客室業務から外れ、休職扱いになります」との回答だった。

 日本航空では、妊娠すると産前勤務扱いになり、本人が希望すれば地上勤務に移動することが可能だ。申請すれば、基本的に全員認められる。

 ちなみに出産中に休職制度を利用すると、その間は無給になるという。休職後の復帰も可能で、本人が希望すれば以前の客室業務に戻ることもできる。

 日本航空は「本人が希望すれば全員が地上勤務できる」と回答したが、実際のところ、この原則が認められるようになったのは、つい最近のことだ。

 きっかけは、日本航空の客室乗務員Aさんが、2015年に会社を訴えたことによる。Aさんは2014年、妊娠を機に会社側へ地上勤務を申し出たが、会社が拒否。組合を通して交渉したが、まとまらず裁判になった。この裁判は、会社がAさんの訴えを認め、2017年6月に和解が成立した。

 客室乗務員の組合であるジャパンキャビンクルーユニオンは、本誌の取材に対し、こうした裁判に訴えるケースは稀で、「妊娠によって、そのままやめてしまう客室乗務員はたくさんいます。泣き寝入りしてしまう人がほとんどでしょう」とコメントした。

 東京オリンピックや、格安航空会社の新規参入などで、客室乗務員の需要は高まっている。もちろん利用者の安全が第一だが、現場で働く女性に対する処遇改善も望まれる。