朝日の森友問題第1報(2月9日付朝刊)

 新聞とテレビの記者にとって最大の栄誉である「新聞協会賞」が6日に決定する。年に一度、新聞・テレビ各社が自社の記事を応募し、選考委員が授賞記事を選ぶ。

 授賞対象は編集、技術など多岐にわたるが、最も注目される「ニュース部門」には20本の候補記事が集まった。その中から選ばれたのは、NHKの「防衛省『日報』保管も公表せず」の特報と、西日本新聞の「博多金塊事件と捜査情報漏えいスクープ」。

 授賞記事は発表の約2週間前、8月24日の選考分科会で、各社の編集局長クラス15人が審議のうえ、内定した。大手紙政治部記者が語る。

「稲田朋美・元防衛相を辞任に追い込んだ『日報問題』は文句なしの評価。協会賞は、こうした調査報道記事が受賞する傾向が強い」

 残りの評価は割れた。他に最終候補に残っていたのは、朝日の「森友学園への国有地売却、加計学園の獣医学部新設をめぐる一連の報道」。別の大手紙政治部記者が言う。

「西日本のスクープは調査報道ではなく、発生事件で他社を抜いた、珍しいタイプの候補記事。そのためか議論は長引いたと聞きます」

 博多金塊事件は、昨年7月、博多駅付近で警察官を装った犯人が約7億6000万円相当の金塊を奪い、今年5月に逮捕された。西日本の記事は犯人グループが愛知県警の警察官と気脈を通じていた可能性に言及するなど、大きな話題を集めた。

「ただ西日本のスクープはまだ完全決着していないとみる向きもある。本当に警察官が犯人と通じていたかどうかは公判の行方を見ないと分かりません」(前出・政治部記者)

 朝日の記事には「あれはスクープではなくキャンペーン」「森友第一報は共同通信だった」という声も挙がった。加えて「読売・産経vs朝日」という図式もあったという。

「新聞協会にも各社の思惑があります。たとえば日経が応募した『ヤマト運輸の総量規制と値上げを巡る一連の特報』には毎日が反対を表明。朝日の受賞には、安倍総理に近い読売や産経が反対だったと聞きます。特に新聞協会の会長は白石興二郎・読売新聞グループ本社会長が務めています。それを慮って票が西日本に流れた可能性は否定できない」(協会関係者)

 ここにも“忖度”が?

(「週刊文春」編集部)