スターダムを駆け上がる井手口。欧州挑戦への意思は固く、ガンバでの雄姿を見られるのもあとわずかか。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 イングランド実質2部のフットボールリーグ・チャンピオンシップ(FLC)に所属する古豪、リーズ・ユナイテッド。つい最近、当ウェブサイトのコラムニストで、元日本代表MFの藤田俊哉氏が強化スタッフ入りしたことで話題を集めたが、ふたたび脚光を浴びている。
 
 ハリルジャパンの新鋭で、先のワールドカップ予選・オーストラリア戦で鮮烈ゴールを決めた井手口陽介の獲得に近づいているという。ガンバ大阪に対しておよそ1億円の移籍金(違約金)を支払う用意があるようだ。
 
 この一連の報道を裏付けるアクションが、実は6日前の9月5日にイングランドであった。主人公は、リーズのスポーツ・ディレクターであるヴィクター・オータ氏。クラブの公式Facebookに登場し、今夏の補強の意図や今後の計画などについて、ざっくばらんにサポーターの質問に答えた。
 
 そのなかで、ついポロリと漏らしてしまったのだ。「アジアからのビッグなサプライズ移籍がもう少しでまとまる」と。いまとなれば、井手口を指していると考えるのが妥当だろう。
 
 サポーターとのやり取りはこうだ。まず「リーズはオーストラリアの選手に興味はないのか」と訊かれ、オータSDは「もちろん素晴らしい選手が多いから、関心は寄せているよ」と答えた。ここからスイッチが入ったのか、一気にエスカレートしていく。
 
「プライオリティーを置いているのは、フランス、イタリア、スペイン、そしてUK(英国)の市場だ。それは疑いがない。ただ、いまの我々の組織にはスペシャルな強化グループがある。さっきの国々よりランクが下がるリーグに対しても、細かく注意を払っているんだ」
 
 そして、先述の爆弾発言に至ったのだ。ちなみにオータ氏がスペシャルな強化グループと表現したスカウト陣の中には、藤田氏も含まれているだろう。
 すでに夏の移籍市場は閉まっており、獲得となれば冬のタイミングとなる。
 
 ただ、英国のワークパーミット(労働許可証)の取得はますます難しくなっており、日本代表での出場数(2年間で75%以上)や高額移籍金(1000万ポンド=約13億円)など満たすべき条件は複数に及ぶ。仮にリーズが井手口を獲得しても、代表キャリアが浅く、移籍金も1億円程度のため、保有権を持つだけでリーグ登録できない可能性がある。

 しかしながら過去には数多の“特例”があり、とりわけ将来性を買われている、あるいはクラブ側が熱心にそのステータスを保証して説得に当たれば、選手登録が受諾されるケースが少なくない。
 
 それでも認められなければ、イングランド・クラブの多くのヤングスターがそうしているように、フランスやオランダ、ベルギーなどのクラブヘ武者修行に出されるか、時が来るまでレンタル契約でガンバに戻されプレーするか、その二択になる。
 
 今シーズンのリーズは、FLCで2位と好スタート。6節を終え、4勝2分けと負け知らずだ。
 
 キプロスのAPOELニコシアを強豪に仕立て上げたデンマーク人、トーマス・クリスティアンセンを新指揮官に招聘し、大々的な刷新を敢行した。ふたりの買い取り選手を含め、16人のニューカマーを獲得している。
 
 井手口が加入すれば、セントラルMFが主戦場になるだろう。実はチームの中でもっとも選手層の厚いポジションで、今夏も元オランダ代表のフルノン・アニタ、ポーランド代表のマテウス・クリヒを獲得し、生え抜きで若手有望株のケビン・フィリップス、アイルランド代表のユーナン・オケインと駒が揃っている。このあたりはやや気になるポイントだ。
 
 はたして、浪速の至宝の英国行きは決まるのか。オータSDがまたポロリとこぼすか。当地発の続報を待ちたい。