殺虫剤フィプロニルが混入した卵が世界40カ国で見つかったという。

9月5日にドイツDPA通信が報じたニュースで、そのうち欧州連合(EU)加盟国が24カ国に上ったというのだ。この結果、ヨーロッパのスーパーマーケットでは数百万個の卵が回収される事態が起こっている。

ヨーロッパ以外ではアメリカやロシア、南アフリカ、トルコでも問題の卵が見つかったそうだが、実は韓国でもなぜか殺虫剤入りの卵が大問題となっている。

約1週間、韓国に滞在したが、知人や友人と食事の席をともにすると、自然と卵のことが話題になることも多かった。

なぜか韓国でも殺虫剤入り卵が…

韓国ではフィプロニルやビフェントリンなど殺虫剤の成分が入った卵が、韓国国内49カ所の農場から生産・流通されたことが8月中旬に判明。

現在、殺虫剤入りの卵の騒動によって、卵の値段が急落している状況だという。

韓国農水産食品流通公社によると、卵(30個)の全国平均価格は6119ウォン(約620円)で、ここ一カ月で19.5%も下がっているというのだ。

興味深いのは、それでも例年の今頃に比べると卵の値段は高いらしい。その原因を探っていくと、昨年11月に発生した起きた鳥インフルエンザの影響も無関係ではないという。

日本国内でも昨年同じ鳥インフルエンザが発生したが、早期対策によって韓国ほどの被害はなかった。韓国のずさんな対策が被害を拡大させたとの指摘は尽きない。
(参考記事:1カ月で2800万羽を殺処分…韓国の鳥インフルエンザが“人災”と指摘されるワケ

前出の報道によれば、オランダとベルギー当局は、汚染源がオランダにある洗浄剤サプライヤーであることを突き止めたという。卵の輸出大国といえるオランダに原因があったわけだ。

「ケミカル・フォビア」に陥る韓国

では、韓国産の殺虫剤入り卵の原因は何か。

実は未だにはっきりしていないのが現状だ。

例えば、全羅北道の農家で検出された殺虫剤成分は、地下水にあったといわれている一方で、慶尚北道にある農家の場合は、鶏を放し飼いしている農場の土から殺虫剤成分が検出されたという。

韓国では殺虫剤入り卵を生産した49カ所の農家のうち、半数以上である31カ所が「HACCP」(ハサップ)認証を得ていたことも衝撃を与えており、深刻な「ケミカル・フォビア」(化学物質恐怖症)に陥っている。

ちなみに、卵だけではなく鶏からも殺虫剤DDTが検出されたとの報道もあった。

卵だけでなく鶏にも…“チキン天国”の憂鬱

韓国JTBCが報じたところによると、殺虫剤入り卵が見つかった慶尚北道の農家の鶏を慶北動物衛生試験所が検査したところ、鶏の脂肪層からDDT成分が検出されたという。

検査した8羽すべてから検出され、そのうち2羽は残留許容基準値を超えていたというのだから驚きだ。

全世界のマクドナルドの店舗数よりも韓国国内のチキン店が多く、「起承転“鶏”」などと皮肉が出るほどチキン好きな韓国の友人たちの間では、「チキンを食べられなくなる」との不安の声も上がっている。

いずれにしても、世界各地で巻き起こっている殺虫剤入り卵の問題。

卵の自給率が高い日本では殺虫剤入り卵を食べる可能性はほとんどないだろうが、一刻も早く解決してほしいものだ。

(文=慎 武宏)