地震で倒壊した中心部の建物=9日、メキシコ南部フチタン、田村剛撮影

写真拡大

 メキシコを7日深夜に襲ったマグニチュード(M)8・1の巨大地震の死者は、10日までに90人に達した、とメキシコ政府が明らかにした。今後さらに増える可能性があるという。朝日新聞記者が9日、最大規模の被害が出ている南部オアハカ州フチタンに入ると、市中心部では多くの建物が倒壊し、水や食料が十分に行き渡らないまま、住民は余震を恐れて路上で寝泊まりしていた。

 人口約7万5千人の町フチタン。中心部に近づくにつれ、倒壊した建物が目立ち始めた。大きなひびが入ったり、傾いたりした建物も多い。100年以上前に建設された市庁舎は3分の1が倒壊し、粉々になった石の塊が散乱していた。

 このがれきの中から9日正午過ぎ、地震の夜に宿直で庁舎内にいた警察官(36)の遺体が救助隊によって発見された。妹のセシリア・ヒメネスさん(33)は「兄が下敷きになったと聞いて、州都オアハカから駆けつけた。生きていると信じていたが、本当に残念だ」と涙を浮かべた。

 救出作業の様子を見ていたハシント・ヒメネスさん(62)は「世界の終わりを思わせるような揺れだった」と地震当時の様子を振り返った。激しい揺れで家の外に出ることもできず、妻と娘を抱きしめて祈り続けたという。「巨人が地面を揺すっているようだった。永遠に止まらないのではないかと思った」