史上最高額の2億2200万ユーロで加入したネイマール。パリSGをCL制覇に導けるのか。(C)Getty Images

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 現地時間9月8日、リーグ・アン第5節のメス戦に臨んだパリ・サンジェルマンは、移籍後初出場となった注目のキリアン・エムバペがさっそく初ゴールを奪えば、ネイマールは早くも今シーズン4点目をゲット。5-1の快勝を収め、開幕からの連勝を5に伸ばした。
 
 ここまでは昨シーズンの上位チームとの対戦がないとはいえ、5試合で19得点・3失点と圧倒的な力の差を示している。最大のライバルである王者モナコは、躍進を支えたベルナルド・シウバ、ティエムエ・バカヨコ、バンジャマン・メンディ、そしてエムバペを引き抜かれて戦力が低下。パリSGのここ6年で5度目となるリーグ制覇は堅い、という見方がもっぱらだ。
 
 英国の老舗ブックメーカー『ウィリアム・ヒル』社の優勝オッズを見ても、モナコが10倍なのに対し、パリSGは1.06倍。リーグタイトルは、もはや目標ではなく最低限のノルマと言えるだろう。
 
 合わせて4億200万ユーロ(約514億円)という天文学的な大金をネイマールとエムバペにつぎ込んだのは、当然リーグ優勝のためではない(エムバペは1年間のレンタル後、来夏に完全移籍)。最大の目標は、そうチャンピオンズ・リーグの制覇だ。
 
 ここ5シーズンで4度もベスト8で敗退し、昨シーズンはラウンド・オブ16でバルセロナに大逆転負けを喫しているCLでの戴冠は、パリSGとナセル・アル・ケライフィ会長の悲願だ。空前絶後の大補強を敢行した今シーズン、ついに初のビッグイヤーに手が届くのだろうか――。
 
 9月7日に発売した『ワールドサッカーダイジェスト』の最新号では、欧州10か国の識者に、優勝チームやダークホースの予想など、CLに関する5つのテーマについてアンケートを実施している。その中のひとつ、「パリSGがどこまで勝ち進めるか」という項目について、10人の回答はこうなった。
 
 準優勝は可能……3人
 ベスト4まで……5人
 ベスト8が限界……2人
 
 8人が「ベスト8の壁は超えられる」と見立てたが、優勝できると予想した識者はひとりもいなかった。
 
 その最大の理由が、ウナイ・エメリ監督の手腕だ。「策士だが、策に溺れるところが不安要素」(ルイス・スアレス記者)、「タレント軍団を掌握し、欧州の最高レベルに導く知識とパーソナリティーを備えているか疑問」(ボグダン・ブガ記者)といった厳しい見方が少なくない。
 
 ネイマールがもたらす「負の側面」に言及している記者もいる。
 独『キッカー』誌のベテラン記者ミヒャエル・リヒター氏は、「巨額を投じてスター選手を獲得したからといって、すぐに成功を掴めるほどCLの舞台は甘くない」と指摘したうえで、こう続けている。
 
「ピッチ内外でなにかとニュースを振りまくネイマールの存在は、足枷になりかねない。周囲の雑音は、チームの結束力を低下させる危険をはらんでいる」
 
 こんな懸念もある。ネイマールがバルセロナ時代と同じ輝きを放つのは難しいのではないか。もう横にリオネル・メッシはおらず、より厳しいマークを受けるなか、独力で問題を解決できるのか。少なくともここまでは順調に見えるが、真価が問われるのは強豪との対戦だ。
 
 試金石となるのが、9月27日に開催されるグループステージ第2節のバイエルン・ミュンヘンだ。かつての指揮官カルロ・アンチェロッティが率いるドイツ王者は、攻守のバランスの取れた完成度の高いチーム。格好の腕試しとなるだろう。
 
 ちなみに『ウィリアム・ヒル』社のオッズでは、3連覇を狙うレアル・マドリーが4.5倍で本命視され、パリSGはバルサやバイエルンと並んで7.5倍と、有力な対抗馬のひとつと目されている。
 
 はたして“光の都”の金満クラブは、ついにビッグイヤーを掲げるのか――。注目の初戦は9月12日、敵地でのグラスゴー・セルティック戦だ。
 
文:ワールドサッカーダイジェスト編集部