学校や病院などで、私たちの健康を「食」の面から支える「管理栄養士」と「栄養士」。いずれも、栄養に関わる職種ではありますが、「管理」という言葉の有無による資格上の違いとは何でしょうか。公益社団法人日本栄養士会に取材しました。

管理栄養士は厚労相、栄養士は知事から免許

 まず、管理栄養士と栄養士それぞれの資格を得るために必要な「教育」についてです。いずれも高校卒業後、栄養士の養成施設(大学や短大、専門学校)に入学し、2年以上かけて、栄養士に必要な知識と技能を修得することが必要になります。

 栄養士の免許は養成施設を卒業後、申請により都道府県知事から、管理栄養士の免許は管理栄養士国家試験に合格後、申請により厚生労働大臣から与えられます。この国家試験を受験するには、4年制の管理栄養士養成施設を卒業する、または栄養士養成施設の場合、4年制=1年以上、3年制=2年以上、2年制=3年以上の実務経験が必要です。

 それでは、それぞれの仕事にはどのような違いがあるのでしょうか。

 栄養士法では、管理栄養士も栄養士も、それぞれの名称を用いて「栄養の指導」に従事することを業とする者をいうと規定されています。しかし、管理栄養士は、傷病者の療養に必要な栄養の指導や、高度の専門的知識や技術を要する栄養の指導、そして、特定の多数人に継続的に食事を出す施設において、特別の配慮が必要な給食管理などに携われる点が栄養士と異なります。

栄養教諭や大学教員は管理栄養士

 管理栄養士と栄養士はその「仕事」の違いに応じて、働く場所にも違いがあります。

 健康増進法では、継続的に1回100食以上、もしくは1日250食以上の食事を供給する施設は、栄養士か管理栄養士を置くように努めなければならないとしています。特定給食施設には、会社の社員食堂や小中学校、保育園、幼稚園、福祉施設などが含まれ、栄養士や管理栄養士は、給食管理や給食利用者に対する栄養管理などの仕事をするのです。

 しかし、病院や老人保健施設など医学的な管理を必要とする特定給食施設で、継続的に1回300食以上、もしくは1日750食以上の食事を供給する施設、あるいは、継続的に1回500食以上、もしくは1日1500食以上の食事を供給する施設には、管理栄養士の配置が法律で義務づけられています。つまり、特別な栄養管理が必要な施設は栄養士ではなく、管理栄養士が必要ということです。

 また、医療施設や福祉施設では、診療報酬や介護報酬の一部が管理栄養士でなければ算定できないほか、都道府県や政令指定都市などの保健所の栄養指導員や小・中学校の栄養教諭、大学教員なども管理栄養士の資格が必要、といった差があります。

「カバーできる範囲に違いこそありますが、管理栄養士と栄養士はいずれも、胎児期から高齢期までのあらゆるライフステージにおいて多くの人の栄養状態を管理し、健康をサポートする専門職なのです」(担当者)

■公益社団法人日本栄養士会
https://www.dietitian.or.jp/

(オトナンサー編集部)