見事な手綱さばきで東京Vとの一戦を制した反町監督。シーズン終盤、松本山雅に本格化の気配が漂う。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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[J2第32節]東京V1-2松本/9月10日/味スタ
 
 してやったりの名采配だった。
 
 4戦負けなしでじわりと順位を上げてきた松本山雅。9月10日、J2第32節を東京ヴェルディの本拠地に乗り込み、2-1の快勝を収めた。際立ったのが、反町康治監督の緻密なスカウティングとゲームプランだ。 
 
 警戒したのは、東京Vのインサイドハーフコンビ、梶川諒太と渡辺皓太の機動力だった。
 
「ヴェルディさんは非常に、梶川と渡辺がばっちり機能してくるチームなので、その第1の波を越えられれば、第2の波と勝負ができる。だから今日は少し長いボールをチーム戦術として入れ、それによって第1の波を上手く外すことができた。工藤(浩平)や山本(大貴)あたりが前を向くシーンが相当増えたと思う。その意味では、狙い通りでしたね」
 
 ただ、相手のエースであるドウグラス・ヴィエイラのスタメン落ちは想定だったという。
 
「最初から出てこなかったのは驚きでしたけど、そこは少し救われたところが正直ある。(84分に1点を決められて)やっぱり隙を見せてはいけないというところですね。最後の15分間で一番点を取っているのは名古屋とヴェルディなんですよ。うちは5点ですから。分かっていたのに、最後の時間帯にしっかり試合を締めることができなかったのは反省材料ですね」
 
 シーズンは残り10試合。最終盤に来て、チームの熟度に自信を深めている。
 
「ここ最近、自分たちのチームのスタンダードに気づけてきて、それに対して過信せず、自信を持ってやれている。昨年は追われる立場だったんですけど、今年は追いに行く立場っていう強みがあるのではないかと思います。勝っても反省点はたくさんありますし、そういうところをもう一度ふんどしを締めなおしてやらなきゃいけない。うちみたいに前線でのボールロストが多いチームは、攻から守の切り替えがひとつのカギになりますが、そこはかなり洗練されてできてきている。相手陣内でボールを奪取するというところが。今日は向こうのミスも少しありましたけど、逆に言えば、それだけボールを奪われた後の圧力が高くなっているということかもしれません」
 
 監督自身が「とても楽しみにしていた」と語る、スペインの智将ミゲル・アンヘル・ロティーナとの対決。会心の内容で3ポイントを上積みし、プレーオフ圏内の5位に再浮上した。
 
取材・文:川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)