松本山雅FCのFW鈴木武蔵

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[9.10 J2第32節 東京V 1-2 松本 味スタ]

 与えられた時間は12分、5分、1分、そして、この日は12分だった。今夏、新潟から松本山雅FCに期限付き移籍で加入したFW鈴木武蔵は、加入以降、毎試合出場機会を与えられている。そのすべてが途中出場だが、23歳のストライカーは限られた時間の中で、自らの存在価値を証明しようとピッチ上で奮闘し続ける。

 プレーオフ出場を争う東京V戦で、鈴木に出場機会が巡って来たのは2-0とリードして迎えた後半33分だった。「守備のときにしっかりプレッシャーに行き、攻撃のときは背後に抜けろ」と反町康治監督から送り出されて最前線に入ると、任務を遂行しようと相手ボールホルダーに圧力を掛け続け、攻撃に移れば最終ライン裏を突いてダメ押しゴールを狙った。

 東京Vの反撃を1点に抑えたチームは2-1の勝利を収めたものの、自身に移籍後初となるゴールは生まれず。「守備はできたけど、それでいっぱいいっぱいになってしまい、今日は攻撃に移れなかった」と悔しさを滲ませた。

 12年に桐生一高から新潟に加入し、15年シーズン途中に水戸に期限付き移籍。約半年間の武者修行を終えて、16年に新潟に復帰した。今季は途中出場こそ多かったものの、第22節終了時点で17試合に出場。しかし、「個人として、何か自分の中で変えたい思いがあった」と松本への期限付き移籍を決断した。

 チームのJ1昇格のために戦う中、大きな刺激を受ける試合があった。それが、6大会連続W杯出場を決めることになった8月31日の日本対オーストラリアだった。

 鈴木とともに昨夏のリオデジャネイロ五輪を戦ったFW浅野拓磨(シュツットガルト)とMF井手口陽介(G大阪)が、スターティングメンバーに名を連ねるだけでなく、浅野が先制点、井手口がダメ押しゴールを奪い、W杯行きの切符を獲得した。「五輪代表として一緒にやってきた選手がW杯出場を決めるゴールを決めたのは、すごく刺激になる。自分も負けていられないし、松本で先発で出て結果を残せるようにしたい」。同年代の選手から刺激を受けた男は、残り10試合となったJ2リーグでの先発奪取を誓った。

(取材・文 折戸岳彦)
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